乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.156
2020.10.06
CAR

メルセデスのSUV「GLC」は今が買い時。あらゆる需要に対応する成熟期

「味わい深い、熟成車」とは……

CクラスのSUVモデルに当たる「GLC」が日本デビューしたのは2016年2月。

最初は2Lガソリンターボを搭載した「GLC 250 4マチック」のみで登場した。以降さまざまなパワートレインのバリエーションが目まぐるしくラインナップしていく。

まず同年9月には、PHEVモデルとなる「GLC 350 e 4マチック スポーツ」と、ハイパフォーマンスの「メルセデスAMG GLC 43 4マチック」が追加された。

「GLC 350 e」は2Lガソリンターボに電気モーターを加え、システム全体で最高出力320ps/最大トルク560Nmを発揮。電気モーターのみで最大30.1km走ることができる。

ただしPHEVモデルは約3年後の2019年のマイナーチェンジでラインナップから外れ、2020年4月に再び追加された際には進化したシステムを搭載した「GLCクーペ」のみとなった。

PHEVの「GLC 350 e 4マチック クーペ スポーツ」。本革シートを標準装備するなど、メルセデスAMGモデルを除くとトップグレードという位置付け。

もうひとつの「GLC 43」は、メルセデスAMGが開発した3LガソリンのV6ツインターボエンジンを搭載。最高出力367ps/最大トルク520Nmを発揮し。0-100km加速は4.9秒。このハイパフォーマンスに合わせて足回りも専用チューンされている。

2017年2月には2Lガソリンで2WD(後輪駆動)の「GLC 200」と、2.2Lディーゼルで4WDの「GLC 220d 4マチック」、さらにクーペモデル「GLCクーペ」も追加された。

このクラスで手頃な価格となる2L+2WDモデルは人気になるかと思いきや、メルセデス・ベンツラバーが求めるのはそうではなかったらしく、結局2019年のマイナーチェンジで2WDの「GLC 200」はラインナップから外れた。

4ドアだがルーフがリアに向かって強く傾斜したクーペ風ルックの、「GLCクーペ」。パワートレインのバリエーションは、PHEV以外はGLCと同様となる。
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2018年1月にはGLC/GLCクーペにメルセデスAMG製のV8ツインターボを搭載する「GLC 63 4マチック+」シリーズが追加されている。

最もスポーティな「63S 4マチック+」は最高出力510ps/最大トルク700Nmを発揮、0-100km/h加速は3.8秒と、ランボルギーニ「ウルス」の3.6秒に迫る勢い。もちろん同社のSUVでは最も速いモデルだ。

「GLC 63 4マチック+」はトランスミッションもメルセデスAMG製のAMGスピードシフトMCT(9速)を搭載。4WDシステムもメルセデスAMG製のAMG 4マチック+となり、走行状況に応じて前後のトルク配分を50:50から0:100に可変する

さらに2019年10月には燃料電池車の「GLC F-CELL」が投入された。

トヨタの「ミライ」同様、水素と空気で電気を発生させ、モーターで走るという、いわば水素による発電機を搭載した電気自動車だ。SUVモデルとしては世界初となる。

「GLC F-CELL」。最高出力は200ps、最大トルクは350Nm。水素ステーションでの水素充填のほか、自宅での充電も可能。ヨーロッパと日本でのみ発売されるモデルで、納車は2020年内としている

2020年9月末現在、整理すると現在のラインナップは次のようになる。

・GLC 220d 4マチック/GLC 220d 4マチック クーペ
・GLC 300 4マチック/GLC 300 4マチック クーペ
・GLC 300e 4マチッククーペ
・GLC F-CELL
・メルセデスAMG GLC 43 4マチック/メルセデスAMG GLC 43 4マチック クーペ
・メルセデスAMG GLC 63 4マチック+/メルセデスAMG GLC 63 4マチック+ クーペ
・メルセデスAMG GLC 63 S 4マチック+/メルセデスAMG GLC 63 S 4マチック+ クーペ

ガソリンやディーゼル、PHEV、燃料電池、63 S 4マチック+のようなスーパースポーツまで用意されたのだから、登場から約4年で多彩なバリエーションを揃えるSUVとなった。

機能の改良については、まず2017年2月に2WDモデルが登場した折、既存の「GLC 250 4マチック」は電子制御式エアサスペンションを標準装備するようになり、路面や走行状況に左右されることなく、快適な乗り心地を得られるようになった。凹凸の激しい路面などでは最低地上高を15mm高めることもできる。

2018年10月のマイナーチェンジでは大きく手が加えられた。

エクステリア・インテリアともデザインが変更されたほか、最新の安全運転支援技術が標準装備され、「ハイ、メルセデス」でエアコンやオーディオなどを音声でコントロールできる「MBUX」が用意されたことが大きな変更点だろう。

MBUXはクラウド型サービスのため、日々学習し、進歩を続けているだけに、2018年10月に初めて日本に登場した頃よりさらに使いやすくなっている。個別対応能力も備えているので、使うほどにどんどん使いやすくなっていく機能だ。

安全機能では、もともと登場時から衝突被害軽減ブレーキや、車線中央をキープするようステアリングを自動制御する機能、先行車に追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール、自動防眩機能付きのハイビームなどが標準装備されている。

さらにマイナーチェンジで、交差点などを右折する際に直進してくる車を検知すると自動ブレーキが作動する、つまり右直事故を防ぐ機能が追加された。

そのほかシート設定、照明、音楽などのシステムを統合的にコントロールすることで、快適性を高めてくれる機能も用意されるなど快適性も向上している。そんな成熟期を迎えた「GLC」は、まさに狙い目モデルと言えそうだ。

「味わい深い、熟成車」とは……
ひとつの車種でも、マイナーチェンジはもちろん、実は毎年のように小さな改良が施されている車は多い。ひとつのモデルの後期ともなるとその“熟成”はかなり進んで、ワインのよう深い味わいに。そんな通の間では人気の「後期モデル」は、我々にも当然、美味しい車なのだ。上に戻る

籠島康弘=文

# GLC# GLCクーペ# メルセデス・ベンツ#
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