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2020.07.28

ランクル60、エクストレイル、エレメント。3台のSUVは時代の波にどう乗った?

「SUV大国ニッポン」とは……
世界的なSUVブームにより、日本でもここ数年で軽自動車からフルサイズまで、さまざまなSUVが登場しているが、実は日本のSUVの歴史は長い。

日本のSUV史を振り返ると、過去には時代の波に乗ったエポックメイキングなモデルが数多く現れ、また時流の波に揉まれて消えた短命モデルが時を超えて再評価されることもある。
今でも後継車が販売され皆が知る人気モデルから、時を経て中古車市場でブレークしたモデルまで、日本の名作SUVを2回に分けて紹介しよう。
 

■トヨタ「ランドクルーザー60」
今なお絶大な人気のネオクラシック

その長い歴史と人気から、キング・オブ・SUVともいうべきモデルがトヨタ「ランドクルーザー」シリーズだろう。なかでも1980年代に登場した60(ロクマル)系は、今なお多くのファンを持つ。

そのルーツは警察予備隊への納入を目指して1951年に開発されたトヨタ「ジープBJ型」。ランドクルーザーはこのBJ型をベースに開発された、ヘビーデューティーなクロスカントリー4WD車だ。しかし1964年の東京オリンピックを成功させ日本人の暮らしが豊かになってくると、トラック然とした「ランドクルーザー」にも乗用車的な乗り味が求められるようになる。そこで登場したのがステーションワゴン系と呼ばれる55系(1967年)だ。
1980年に55系は60系へとモデルチェンジ。当初はバン(商用車)のみだったが、居住空間は広がり、内装もラグジュアリーに。装備も当時の車にはあまりなかった、エアコンやパワステなどの快適装備が採用されるなど、乗用車として十分使えることも、今のロクマル人気を支える一因になっている。
1985年にはランクル初のATモデルが用意された。また1987年のマイナーチェンジでフロントライトが丸目から角目4灯に変更されたが、中古車市場では後期型を丸目にカスタムしたものも多く流通している。
1989年に60系は80系へとスイッチ。そして1998年の100系、現行型である200系(2007年)へと進化し続けている。


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