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■日産「エクストレイル」
街乗り志向な時代への逆張り

1997年にトヨタ「ハリアー」が登場して以降、SUVの流れは街乗りが中心の、オンロード志向の都会派クロスオーバーモデルへと傾倒していく。

そんななかで2000年に登場した初代「T30型エクストレイル」は、モノコック構造ながら、ある意味時代の流れに逆らったともいえる、アウトドア志向のモデルだった。
そのため往年のクロスカントリーモデルを想起させる、四角いボディでタフギアとしてのイメージを鮮明に打ち出した。しかし「エクストレイル」の真価はそんな見た目なんかじゃない。最大の特徴は室内の防水だ。
海、湖、雪山などで遊んだあとの濡れた道具を躊躇なく積み込めるように、インテリアや荷室を防水仕様にしたのは、当時画期的なアイデアだった。ラゲージの床のボードも、泥で汚れたら外して丸洗いできるようになっている。

また運転席でもシューズを楽に履き替えられるよう、ステアリングが上へ跳ね上げるポップアップ機構も備わった。
2代目エクストレイルの一部改良では、残念ながらこの機能が廃止されてしまったが、1分1秒でも遊びたいという人にとても重宝された機能だ。さらに保冷保温機能がついたドリンクホルダーやシートヒーターなど、快適装備も充実していた。
さらに搭載されたオールモード4×4によって、雪道や荒れた路面でも安心して走行できた。
ちなみに今、初代「エクストレイル」の中古車をベージュやモスグリーンなどアースカラーにオールペンし、スチールホイールにマッドテレーンタイヤを履くカスタムが流行しているという。


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