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2020.07.04

遂に上陸した新型ディフェンダーはアリかナシか。識者6人の意見を聞く

2016年に生産を終了し、’19年にフルモデルチェンジを果たし復活したディフェンダー。
この待望の発売に心踊らせている識者らに、その熱い胸の内を語ってもらった!
ランドローバー ディフェンダー
LAND ROVER DEFENDER ランドローバー ディフェンダー
5ドアのロングボディモデルの「110」と3ドアのショートボディモデルの「90」の2サイズをラインナップする。日本に導入されているパワートレインはいずれもガソリンエンジンとなるが、海外ではディーゼルも用意され、日本導入への期待が高まる。運転支援システムなど最新装備が施されるが、外観やシフトレバーがダッシュボードに取り付けられたコックピットなど、随所に先代のデザインを踏襲している。449万円〜。

今後のラインナップ拡充にも期待

待ちに待った新型です。かつて私は同じランドローバーのディスカバリーという車に乗っていました。それが初めての輸入車でしたが、そのときの衝撃が忘れられません。室内装備は簡素なのに手に触れるすべてのマテリアルが上質。そして必要な走破性能だけ研ぎ澄ませた、その佇まいに一瞬で、やられてしまいました。
その衝撃から25年。ディスカバリーを買った当時から、より硬派なモデルとして、ずっと気になっていたディフェンダーのモデルチェンジですので期待感は半端ではありません。実車にはまだ触れていませんが、海外ジャーナリストのインプレッション動画を何回も観て、自分がもしこの車を購入したらと、想像を膨らませて楽しんでいます。
ラダーフレームからモノコックボディに変わったにもかかわらず剛性は旧型をはるかに凌駕し、オフロードを走破するための実用的な電子装備の数々。そして個人的には完璧!といえるデザインのモダナイズ。どれをとっても、脱帽です。
車体価格は納得の範囲ですが、調子に乗って魅力的なオプションを公式サイトのコンフィギュレーターでアレコレ選ぶと、あっという間に1.5倍くらいの価格に! 5ドアモデルのボディサイズは5mオーバーと日本の都市部に住んでいると、多少オーナーを悩ませますが、そんなことを差し引いても、私、ディフェンダー、欲しいです! しかも、絶対にディーゼルモデルで。早く日本に導入してください!
フリーアナウンサー 安東弘樹
TBSを一昨年に退社し、フリーへと転身。無類の愛“車”家で、車歴は40台以上! カー・オブ・ザ・イヤー選考委員でもあり、専門誌にも寄稿。最近、ロータス エリーゼをひと目惚れで購入。
 
 

“エンスー”だけの車ではない

1948年にデビューしたディフェンダーは、2016年まで70年近くも基本設計を変えずに生産された。だからこれが初めてのモデルチェンジとなる。実はディフェンダーと呼ばれるようになったのは’90年からで、それまではランドローバーという名称だった。レンジローバーやディスカバリーが加わるまで、ランドローバーにはランドローバーというひとつの車種しかなかったからだ。
ひとつの商品が、その企業を象徴しているという意味で、ディフェンダー(ランドローバー)はコカ・コーラや味の素みたいな存在だった。では、もしあなたがコカ・コーラや味の素のモデルチェンジの担当者なら……。おそらく、パッケージはモダンにしても、中身は大きく変えないはずだ。
というわけで、新しいディフェンダーもデザインはモダンに、一方で圧倒的な悪路走破性能という魂は変わっていない。ただし技術の進歩や現代のライフスタイルに合わせてレシピは変え、ボディ構造やサスペンションは、快適性を高める方向へとシフトされているのだ。
以前のディフェンダーは悪路では頼りになるものの、普段使いではゴワゴワするマニア物件だった。けれども新型はマニアはもちろん、見た目重視で“ジャケ買い”してファミリーカーとして使ってもOK。そして、スキー場近くの豪雪地帯や、突然のゲリラ豪雨に遭遇したときに、SUVひと筋70余年の安心感、信頼感を肌で覚えるはずだ。
モータージャーナリスト サトータケシ
伝説の(?)自動車文化誌「NAVI」の副編集長を務めたあとに独立。現在はフリーランスのライター/エディターとして活動。新型ディフェンダーを買うなら、「絶対、3ドアの90」だとか。
 



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