識者たちがホンネでプレゼンする気分がアガる車。前回は、
4人がオススメするフランス車とドイツ車を紹介をした。
今回は、ポルシェを選んだ3人にホンネを聞いた。
「飛ばさなくても味わえる“最幸”の開放感」
ポルシェ 718ボクスター
ドライバーを楽しませるために生まれたスポーツカーは究極の玩具と言っていい。とりわけオープンカーは「人と荷物を運ぶための道具」とは対極にあると言っても過言ではない。アクセルを踏み込むにつれ高まるエンジン音、意のままのハンドリング、頭上を駆けぬける風、差し込む光、流れ去る景色……。そこにあるのは究極の開放感と自由だ。
特に飛ばさなくたっていい。目的もなく、ただ単に走らせるだけで気分を思い切りアゲてくれるに違いない。718ボクスターは快適性と運転する楽しさを高いレベルで両立したオープンスポーツカーのお手本的存在である。
| モータージャーナリスト 岡崎五朗さん Age 53 「車でいこう!」(テレビ神奈川)MC。「車の良さは数字じゃない」が口グセで、先代ポルシェ911とメルセデスW124型300Eを愛でる。 |
「楽しさ最強の911はハズシの最高峰タルガかと」
ポルシェ 911 タルガ4 GTS
運転が楽しい車としてポルシェ911を挙げることに異論はないと思う。素のカレラでも十分楽しいが、特にオススメしたいのがタルガ4 GTSである。タルガはセミオープンのボディ形状を表す。カブリオレほど開けっぴろげではなく、視線を気にせずオープンエアを楽しめるのがなんとも奥ゆかしい。
4WDというのも安心で、楽しいドライブに集中できる。さらにGTSは450PSのパワーを誇る。ターボやGT3のスペックにはかなわないが、こちらは屋根開きですからエヘン。初夏の匂いを感じながらドライブできる、楽しさにおいて最強の911はコレだと私は考える。
| 編集者・執筆者 荻山 尚さん Age 48 「カー・マガジン」や「ENGINE」など専門誌に在籍後、ファッション畑に。「SENSE」編集長などを経て、現在はフリーの編集者・執筆者に。 |
「内燃機関にさよなら、新時代を体感しようぜ!」
ポルシェ タイカン
完全に想定外のEVだ。全長4.9m、車重2.3tの超デカ重セダンだけに、テスラ モデルSのようなオバカ加速が売りかと思ったら違う。ヤル気になれば0→100km加速3秒前後の速さも出せるが、質がテスラとは全然異なり、加速、操舵、横Gの出方、ブレーキフィールが問答無用で最高! 加速、操舵性に関して言えば、ヘタすると911よりキモチいいかも?ってレベル。
乗り味はいつものポルシェだが、より研ぎ澄まされてクリア。まさかエンジンポルシェよりEVポルシェ タイカンのほうが気持ちいいという大どんでん返しが待っているとは……完全に裏切られたぜ!
| バラエティ自動車ジャーナリスト 小沢コージさん 自動車ジャーナリスト兼ラジオパーソナリティ。TBSラジオ「小沢コージのカーグルメ」MCを務め、一般誌や自動車誌などにも連載多数。 |
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