それは禁断の着心地……愛さずにはいられない「楽な服」! Vol.58
2020.05.05
CAR

ガソリンモデルから乗り換えたくなる!? メルセデスとボルボの本命ディーゼル

欧州と同様、日本においてもすっかり市民権を得たディーゼル車。

2000年代以降に登場したクリーンディーゼルエンジンによって、環境に悪い、エンジン音がうるさいなど昔のネガティブな印象は払拭され、多くの人にとって今や車選びのひとつの選択肢となっている。

ガソリンモデルから乗り換えたくなる!? 人気モデルの本命ディーゼル!

事実、2019年度のディーゼル車の販売台数は過去最高記録を達成した。燃料である軽油は価格が安く、長距離を走れば走るほど燃費もいいから、ランニングコストが抑えられる。加えて、分厚いトルクのおかげで走り出しは軽快で、坂道や追い越しなど、加速したいときにはちょっと踏み込むだけでいい。

また、アクティブな趣味を持つ人が増加したことも人気に関係しているかもしれない。人やギアを乗せれば車重が重くなり、走りが鈍くなるが、ディーゼルならそれを感じさせないし、地面をしっかり押し出す力があるほうが、悪路でもスムーズな走行が可能となる。

そこで今回ピックアップしたのは、都会的なデザインと遊びに使える高い実用性で人気の2台。ガソリンモデルも売れ行き絶好調だが、ディーゼルは今後さらなる人気を呼びそうだ。

既にガソリンモデルを購入してしまった人も乗り換え検討の価値は十分にある!?

 

メルセデス・ベンツ C 220 d ステーションワゴン

MERCEDES-BENZ C 220 d STATIONWAGON メルセデス・ベンツ C 220 d ステーションワゴン
ボディサイズ:全長4705×全幅1810×全高1455mm 総排気量:1496cc 燃費:12.4km/L(WLTCモード) 乗車定員:5名 価格:638万円〜

4世代目として既に熟成期に入り、高い完成度を誇るCクラス。2L直4ディーゼルエンジンは最高出力194PS、最大トルクは約400Nmを発生する。

9段ATを搭載したことでそのトルクを効率良く使えるようになり、1速ではより力強く、高速巡航では回転数を抑えることで、より静かになった。ロングドライブが多い人におすすめ。

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高速巡航時でもディーゼルであることを忘れるくらい静寂性が高い。
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Cクラスに搭載されるディーゼルエンジンは現行のEクラスと同じものになるが、Eクラスは7段ATなのに対して、Cクラスは9段ATとなる。よりトルクを効率的に使えるのが最大のウリだ。
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オプションの「レザーエクスクルーシブパッケージ」のシートは本革仕様で、前席にはシートヒーターが備わる。体をしっかりとホールドする感じもいい。
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コックピットは最新のインフォテインメントシステムを搭載。車両やシステム設定を大画面ディスプレイで行うことができ、扱いやすい。
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都心部のストップ&ゴーも楽。この乗り味、ディーゼルならでは!

20年以上前に「欧州では乗用車の約50%がディーゼル」と聞いたときにはピンとこなかった。当時は日本車、輸入車を問わず、世界一厳しい日本の排ガス規制をクリアするディーゼル車が存在しなかったからだ。

2010年に輸入ディーゼル車として初めて日本のポスト新長期規制をクリアしたのがメルセデス・ベンツのE 350 BlueTEC(W212型)だった。発進から力強く、かつ滑らかに加速して、高速巡航ではエンジン回転数が低いこともあって静か。それまでディーゼルに抱いていた「ガラガラ音がうるさくて野蛮」というイメージは、それこそガラガラと崩れた。と同時に、欧州でディーゼルが支持される理由がわかった。

日本では税制によって軽油が安いけれど、ヨーロッパでは軽油とガソリンはほぼ同価格。軽油が安いからという理由ではなく、パワフルなのに燃費がいいという理由で選ばれていたのだ。

都心部のストップ&ゴーも楽。この乗り味、ディーゼルならでは!/メルセデス・ベンツ C 220 d ステーションワゴン

メルセデス・ベンツのCクラスほど誰にとっても“買い”の車はなかなかない。走りの出来はすこぶる良く、装備内容や質感も良好。価格も良心的。だから当然、新型が発表されるたびに人気を博すし、’18年に改良されたこの4世代目の後期モデルも熟成された完成度の高い車と評される。そして満を持して登場したのがローレウス エディションのC 220 d ステーションワゴンだ。

最新鋭の2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンはアイドリング回転付近から力強いトルクを生み出し、スムーズに加速する。しかも、9速ATによって分厚いトルクをさらに効率的に使えるようになり、1速の加速はより力強く、9速での高速巡航はエンジン回転数を抑えて静かになっているのだ。

だから、ストップ&ゴーが連続する都市部での運転がまったく苦にならない。アクセルペダルを軽く踏み込むだけでトラフィックの流れをリードすることができるのだ。

ここにガソリンエンジンとの違いが出る。もちろん今の時代、ガソリン車だからといってトルク不足を感じるかと言われればそんなことはない。しかし、一度でもディーゼルの軽快な乗り味を体感すれば、車にそこまで詳しくない人でも違いはわかる。

しかも最新のCクラスはアジリティ(敏捷性)も重視しているから、ハンドリングの切れ味も鋭い。エンジンをブン回さなくても力が溢れてくるディーゼルエンジンと、すばしっこい身のこなしの組み合わせが最高のドライビングプレジャーを提供してくれるのだ。

Eクラスにディーゼルモデルのプラグインハイブリッドが登場

Eクラスにディーゼルモデルのプラグインハイブリッドが登場
現在のハイブリッドはガソリンとモーターの組み合わせが一般的だが、ディーゼルとの組み合わせが、メルセデス・ベンツのEクラスから登場した。これは乗用車として日本初で、ガソリンPHEVより低燃費が期待できる。EVモードでは満充電で約50km走行が可能。納車は今年の中頃予定だ。

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ボルボ XC90 D5

VOLVO XC90 D5 ボルボ XC90 D5
ボディサイズ:全長4950×全幅1960×全高1775mm 総排気量:1968cc 燃費:13.6km/L(WLTCモード) 乗車定員:7名 価格:959万円〜

新生ボルボの第1弾車種として、2016年の登場以来人気を博しているXC90。昨年の夏には初のマイナーチェンジを果たした。クリーンディーゼルモデルのD5は最高出力235PS/最大トルク480Nmを発生し、大型ボディでも軽快な走りを実現。

最大の特徴はアクセルペダルを踏み込んだ際の、ターボラグを低減する「Power Pulseテクノロジー」を搭載し、よりスムーズな発進と加速を可能とした点だ。

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車重は2t超えにもかかわらず発進時のもたつきがまったくなし。坂道でも軽く踏み込むだけで、グイグイと進んでいく。未舗装路でも力強い走り出しで、ラグジュアリーなクルマながらアクティブ派にも人気だ。
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専門家からの評価の高いボルボのディーゼルエンジン、D5。
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心地良さをひとつのテーマとするXC90においてシートは重要な要素。ソフトな質感のレザーは優しく体を包み込み、疲れにくい。
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コックピットは、ナビ表示が見やすい縦型の大型ディスプレイが特徴的。物理的なボタンを少なくすることでデザインも美しい。
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大型ボディを感じさせないスムーズな加速

それほどエンジンを回さなくても力がモリモリ湧き出て、ガソリンエンジンに比べて燃費効率に優れるディーゼルエンジンは、まさにボルボXC90のような大型SUVに打ってつけのパワートレインだ。大人数を乗せ、趣味のギアを満載して山道を登っても走りに余裕があるし、長距離ドライブもお手のもの。

ここで、読者のなかには「ヨーロッパではディーゼル車が走行禁止」というニュースをご覧になった方もいるかもしれない。ただし、ドイツやフランスの一部の都市が打ち出している「ディーゼル車の乗り入れ禁止」は、最新の排ガス規制をクリアしていないエンジンに対するもの。従ってここに紹介するボルボXC90のクリーンなディーゼルエンジンは該当しない。

もちろん将来的には電動化の方向に進むのは間違いないけれど、減っていくのはディーゼルだけでなくガソリンも一緒。発電などエネルギー問題全体のソリューションが見つかるまでは、ハイブリッドやEVも含めてパワートレインは適材適所がベスト、というのが専門家の見方だ。

大型ボディを感じさせないスムーズな加速/ボルボ XC90 D5

ボルボXC90は新世代ボルボの第1弾として2016年に登場して以来、最高水準の安全装備と高いデザイン性、心地いい上質な空間を提供し、新たなるプレミアムSUVの地位を確立した。そして、昨年初となるマイナーチェンジが行われ、ディーゼルモデルのD5もラインナップされた。

走り始めた瞬間に、プレミアムSUVにはやはりディーゼルが最適解ではないか、と感じる。なぜか? 2Lの直列4気筒ディーゼルターボの性格が車の優しいキャラにピッタリなのだ。よく目にする車の試乗記では、車を押し出す力(=トルク)を「厚い」と表現することが多い。この車の場合も厚いは厚いのだけれど、もっと柔らかく車を押し出す感じがする。

優しいキャラと書いたけれど、その理由は、極上の乗り心地。ボルボXC90にはエアサスがオプションで用意されているが、絶対に付けたほうがいい。頼りがいのあるエンジンとふんわりとした乗り心地の組み合わせは、まさに大船に乗った気分。波の静かな瀬戸内海を進むクルーザーのようだ。しかも4駆システムも備えるから、例えば豪雪や豪雨に見舞われても心強い。

加えて洗練された北欧デザインは見事に自然と調和する。世界を見渡しても実に稀少なプレミアムSUVなのだ。

 

安井宏充=写真 サトータケシ=文

# ディーゼル# ボルボ# メルセデス・ベンツ
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