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ボルボ XC90 D5

VOLVO XC90 D5 ボルボ XC90 D5
ボディサイズ:全長4950×全幅1960×全高1775mm 総排気量:1968cc 燃費:13.6km/L(WLTCモード) 乗車定員:7名 価格:959万円〜
新生ボルボの第1弾車種として、2016年の登場以来人気を博しているXC90。昨年の夏には初のマイナーチェンジを果たした。クリーンディーゼルモデルのD5は最高出力235PS/最大トルク480Nmを発生し、大型ボディでも軽快な走りを実現。
最大の特徴はアクセルペダルを踏み込んだ際の、ターボラグを低減する「Power Pulseテクノロジー」を搭載し、よりスムーズな発進と加速を可能とした点だ。
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車重は2t超えにもかかわらず発進時のもたつきがまったくなし。坂道でも軽く踏み込むだけで、グイグイと進んでいく。未舗装路でも力強い走り出しで、ラグジュアリーなクルマながらアクティブ派にも人気だ。
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専門家からの評価の高いボルボのディーゼルエンジン、D5。
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心地良さをひとつのテーマとするXC90においてシートは重要な要素。ソフトな質感のレザーは優しく体を包み込み、疲れにくい。
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コックピットは、ナビ表示が見やすい縦型の大型ディスプレイが特徴的。物理的なボタンを少なくすることでデザインも美しい。
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大型ボディを感じさせないスムーズな加速

それほどエンジンを回さなくても力がモリモリ湧き出て、ガソリンエンジンに比べて燃費効率に優れるディーゼルエンジンは、まさにボルボXC90のような大型SUVに打ってつけのパワートレインだ。大人数を乗せ、趣味のギアを満載して山道を登っても走りに余裕があるし、長距離ドライブもお手のもの。
ここで、読者のなかには「ヨーロッパではディーゼル車が走行禁止」というニュースをご覧になった方もいるかもしれない。ただし、ドイツやフランスの一部の都市が打ち出している「ディーゼル車の乗り入れ禁止」は、最新の排ガス規制をクリアしていないエンジンに対するもの。従ってここに紹介するボルボXC90のクリーンなディーゼルエンジンは該当しない。
もちろん将来的には電動化の方向に進むのは間違いないけれど、減っていくのはディーゼルだけでなくガソリンも一緒。発電などエネルギー問題全体のソリューションが見つかるまでは、ハイブリッドやEVも含めてパワートレインは適材適所がベスト、というのが専門家の見方だ。
大型ボディを感じさせないスムーズな加速/ボルボ XC90 D5
ボルボXC90は新世代ボルボの第1弾として2016年に登場して以来、最高水準の安全装備と高いデザイン性、心地いい上質な空間を提供し、新たなるプレミアムSUVの地位を確立した。そして、昨年初となるマイナーチェンジが行われ、ディーゼルモデルのD5もラインナップされた。
走り始めた瞬間に、プレミアムSUVにはやはりディーゼルが最適解ではないか、と感じる。なぜか? 2Lの直列4気筒ディーゼルターボの性格が車の優しいキャラにピッタリなのだ。よく目にする車の試乗記では、車を押し出す力(=トルク)を「厚い」と表現することが多い。この車の場合も厚いは厚いのだけれど、もっと柔らかく車を押し出す感じがする。
優しいキャラと書いたけれど、その理由は、極上の乗り心地。ボルボXC90にはエアサスがオプションで用意されているが、絶対に付けたほうがいい。頼りがいのあるエンジンとふんわりとした乗り心地の組み合わせは、まさに大船に乗った気分。波の静かな瀬戸内海を進むクルーザーのようだ。しかも4駆システムも備えるから、例えば豪雪や豪雨に見舞われても心強い。
加えて洗練された北欧デザインは見事に自然と調和する。世界を見渡しても実に稀少なプレミアムSUVなのだ。
 
安井宏充=写真 サトータケシ=文


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