乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.84
2020.04.16
CAR

SUV界の日本代表。華麗なるランクル一族の系譜を総ざらい

「My Favorite SUVs」とは……

国内はもちろん世界中で不動の人気を誇るトヨタ・ランドクルーザー。現行車から数十年前の初期モデルまで全世代人気なのが大きな特徴だが、例えば「ロクマル」と言われて何を指すのか知らない人も多いはず。

現行のランドクルーザー(右)とランドクルーザー プラド(左)。

そこで今回は、SUVを検討中なら知っておきたい、華麗なるランクル一族の始まりから現在に至る歴史を、サクッとおさらい。

世界で「命を守る」車
ランクルの始まりは?

今や世界中で愛されているランドクルーザー。中東の砂漠やオーストラリアの赤土のダート、アフリカのサバンナ、ロシアの極寒の泥濘地など「車が故障で停まる=死に繋がる」ような場所で、ランクルは活躍している。高い走破性や耐久性に絶大な信頼が寄せられているのだ。

2019年にはランクル一族の世界での販売台数は累計1000万台を突破した。

ランクルの原型である「トヨタ ジープBJ型」。当時の小型トラックに大型トラック用エンジンを搭載。警察予備隊には採用されなかったものの、官公庁に納車された。

そんな世界最強の一族は、朝鮮戦争を機に発足した警察予備隊(のちの自衛隊)へ納める車の開発から始まった。結局、警察予備隊には採用されなかったが、このとき、地球上にランクルの祖となる「トヨタ ジープBJ型」が誕生したのだ。

NEXT PAGE /

2つに分家したランクル

道なき道も平然と走れる車として開発された「トヨタ ジープBJ型」。その2代目の後継モデルが初めて「ランドクルーザー」(20系)と命名され海外へも輸出を開始。1960年には3代目の40系が生まれた。

「日本のランドクルーザーという車がいいらしい」と世界中にユーザーを広めるきっかけになった40系。24年間も製造され、今なお海外にも愛好家がいる名車。

ステーションワゴンタイプの“ランクル”

一方、1960年代になると北米を中心に四駆のレジャー用途が高まり、1976年、そのニーズに合わせて本家の40系から分家したランドクルーザー55系が登場。

以降60系や80系へと続くステーションワゴンタイプのランクルの礎を築くことになった。本家よりもホイールベースを長くして、長距離の移動の快適さや積載能力が高められている。この55系の2代目が60系、いわゆる「ロクマル」と呼ばれるモデルで、1980年に登場。

ステーションワゴンタイプを不動の地位に引き上げたのが60系、いわゆる「ロクマル」だ。1984年には国産4WD車として初めてATを備えるなど、充実した装備が人気に。

ステーションワゴンタイプは60系のあと、80系、100系、そして現在の200系まで続く。

NEXT PAGE /

ライトデューティの“プラド”

もうひとつの分家がライトデューティタイプだ。1984年に本家が40系から70系へ切り替わったのを機に、翌1985年に70系がライトデューティタイプとして分家を果たした。

当時日本ではサーフィン、スキーなどのアウトドアスポーツが人気となり、1981年に松任谷由実が苗場で第1回「SURF&SNOW in Naeba」を開催し、1987年には映画『私をスキーに連れてって』が大ヒットした。

本家70系がバンやピックアップトラックだったのに対し、ワゴン登録モデル、つまり乗用車として販売されたのが70系ワゴン。乗り心地を考え本家とは足回りも変更された。

こうした世情を背景に、ヘビーデューティな本家よりもっと気軽に乗れる四駆というコンセプトの70系ワゴンがデビューしたというわけだ。この70系ワゴンが、1990年には「ランドクルーザー プラド」と命名され、その後90系プラド、120系プラド、現在の150系プラドへと続いている。

NEXT PAGE /

走破性・耐久性はそのままに
華やかになったランクル一族

今や4WDじゃなくても「SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」と呼ばれる時代。特にこれだけインフラが整備された日本では、砂漠や川や泥濘地を走破できる性能なんて不要と言えばそれまでだが、それでもランクル一族は、世界の人々の信頼に応えるために初志貫徹、未だにラダーフレームと呼ばれる走破性・耐久性の高い構造を採用する。

「ランドクルーザー」

2009年に登場した「ステーションワゴン」タイプの現行型(200系)。現在「ランドクルーザー」といえばこのモデルだ。衝突被害軽減ブレーキをはじめ先進安全装置を標準装備するほか、大型タッチパネルでエアコンやオーディオなどを操作できたり、本革シートを用意するなど快適装備が充実。4.6Lガソリンエンジンを搭載し、3列シートの8人乗りと、2列シートの5人乗りがある。

そんなランクル一族の現在はというと、分家のステーションワゴンタイプは2007年に登場した200系が、ライトデューティタイプは150系プラドが現役として活躍中。

さらに2015年にレクサスブランドのトップSUVとして、200系をベースとしたレクサスLXも登場した。

「ランドクルーザー プラド」

200系同様、2009年にデビューした現行型「ランドクルーザー プラド(150系プラド)」。上記の200系よりひと回り小さく、2.7Lガソリンエンジンと2.8Lディーゼルターボエンジン、7人乗りと5人乗りがある。安全機能や悪路走破性は200系とほぼ同じだ。

「レクサス LX」

200系のレクサス版が「レクサス LX」。現行型は2015年から日本で販売が開始されたが、北米では80系時代から販売されていた。200系より上質なインテリアを備えるだけでなく、エンジンは5.7Lガソリンエンジンを搭載し、車速に応じてステアリングの切れ角が変わるなど、レクサスのセダンのような走行性能が与えられている。

いずれも「ロクマル」や「70系ワゴン」の時代とは比べるまでもないほど、厳しい衝突安全基準や環境性能基準をクリアしているだけでなく、巷のSUVブームで大量に増えたライバルたちと競うべく快適装備や安全装備を充実させている。

なにしろ今でも、王族がたくさんいて、国民全員が裕福な中東で大人気なランクル。世界有数の富裕層が砂漠での走行に選んだのは、フェラーリでもランボルギーニでもなく、ランクルなのだ。それがランクルの走破性・耐久性と快適性がいかに優れているかの証左といえるだろう。

「My Favorite SUVs」
「SUVがいいんだよねー」と言っているそこのアナタ、どんなSUVがYour BESTなのかわかってますか? SUV百花繚乱時代、各社しのぎを削る各モデルの個性を浮き彫りにして「My Favoritte SUV」との出会いをマッチング!上に戻る

籠島康弘=文

# トヨタ# ランクル# ランドクルーザー
更に読み込む
一覧を見る