乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.79
2020.04.06
CAR

赤でも黄色でもないフェラーリ。成熟した男に似合う「ローマ」の全貌

フェラーリの新型GTクーペ「フェラーリ ローマ」が日本に上陸した。

そのテーマは、1960年代ローマの“気ままに楽しむライフスタイル”にだという。

日本でお披露目された「フェラーリ ローマ」。

跳ね馬がイブニングドレスを纏った

コンセプトワードは「ラ・ノーヴァ・ドルチェヴィータ」。そう、往年の名作映画よろしく“新・甘〜い生活”を体現した跳ね馬なのだ。

フェラーリといえば、泣く子も黙る高らかなエンジンサウンドに、ロッソコルサ(赤)やジアッロモデナ(黄)といったカラーリング、空力重視ゆえのド派手なエクステリア、そしてF1マシン譲りの(フェラーリはF1で勝つために市販車を売っているといわれている )当代の最新テクノロジーが特徴だ。

「フェラーリ ローマ」のキーワードとなった映画『ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)』。1960年代のローマの上流社会が描かれたフェデリコ・フェリーニ監督の名作だ。

しかし、新型「フェラーリ ローマ」の様相はこれまでの跳ね馬とはまったく異なるものだった。フェラーリ自らが「イブニングドレスに身を包んだF1マシン」と謳うだけあって、エレガンスを全面に押し出したデザインコンシャスなV8FRクーペなのだ。

デザインソースは1950〜60年代のフェラーリのGTロードカー。流線形が美しいロングノーズをさらに伸ばした、フェラーリ初となるシャークノーズを採用している。

往年のロードカー「250 GT ベルリネッタ ルッソ」や「250 GT 2+2」などをデザインソースとしているという。

また、フェラーリ“らしくない”デザインはもうひとつ。

フェラーリの特徴とも言えるエアインテークやディテールの装飾を意図的になくしているのだ。シンプルな造形のフロントグリルもその一環。またフェンダーサイドに冠されるお馴染みの“スクーデリアフェラーリ”エンブレムも見当たらない。

フェラーリであることをこれ見よがしに主張しない。いつものディテールさえ排していることには驚いた。

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甘い見た目に反するF1譲りの中身

そんな甘い見た目に反して、F1譲りの技術もこのローマには投入されている。

心臓部は620psのV8ツインターボエンジンに新開発8速DCTを組み合わせる。実はこのギアボックスは、現行フェラーリで最高峰のスペックを誇る「SF90ストラダーレ」とも遜色ないF1譲りのものだ。

620psのV8ツインターボエンジンは、0→100km/hが3.4秒、最高速度は320km/h以上! 走りは決して甘くないのだ。

フロントリップはそこまで低くなく、後席に荷物を置ける2シーター+αの実用性も高く、ウェットモードも備えた走行モードなど、イブニングパーティーにも乗っていける気軽なフェラーリであることは間違いない。

2シーター+α(4人乗りが可能だが後席は必要最低限の広さ)のキャビンも、ローマのコンセプトのもとエレガントな雰囲気となっている。
コクピットはフルデジタル化。あらゆる操作系統を集約した新ステアリングホイールにより、ドライバーはステアリングから手を離さずにさまざまなコントロールができる。

車両本体価格はおよそ2700万円と噂されている「フェラーリ ローマ」。そのシックな見た目をひとり硬派に味わうのも良し、またはタキシードでビシッと決めてパートナーと二人でレストランへ出かけるも良し。

赤でも黄色でもない新たな美徳を打ち出した「フェラーリ ローマ」は、成熟した大人の“甘い生活”に、ぴったりと言えよう。

 

カストロトシキ=文

# フェラーリ# ローマ# 甘い生活
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