車のトリセツ Vol.8
2020.03.20
CAR

77年間世界No.1。ゼネラルモーターズがつくったアメ車のヒストリー

車のトリセツとは?

巨大グループ企業「ゼネラルモーターズ(GM)」が誕生したのは1908年。

1904年にビュイックの社長を任されたウィリアム・C・デュラントは、あっという間に同社を全米有数の自動車メーカーにまで育て上げた。その後さらにキャデラックやオールズモビル、オークランド(のちのポンティアック)などの自動車メーカーを買収し、1908年にGMが生まれた。

世界初の量産車メーカーはフォードだと思っている人もいるだろうが、実はのちにGMグループとなるオールズモビルの1901年に生産が始まったカーブドダッシュ(写真上)が最初だ。オールズモビルはまた、GM傘下の1940年に世界初のオートマチックトランスミッションを開発している。

そしてアメリカのカーアクション映画で必ずと言っていいほど出てくるシボレーも、GMグループ。まさにアメ車の歴史をつくってきたのがGMなのだ。

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キャデラック、コルベット、ハマー……。無数の名車を生み出す

その後も成長を続けるGMは1931年に販売台数で世界一になると、そこから何と77年間誰にもトップの座を譲らなかった。しかし2008年ついにトヨタに世界一を明け渡すと、2009年には経営破綻。一時は国有化されたが、2013年にアメリカ政府がGMの株をすべて売却したことで、再び独立を果たした。

世界一を77年間という長期間守り続けたGMゆえ、時代を飾った名車は数え切れないほど存在する。

例えば1950年代のアメリカ車を象徴するテールフィンはキャデラックから始まったとされ、その設計のためにデザイナーたちはわざわざ空軍基地まで行き、最新の戦闘機を観察したという逸話が残る。

テールフィンがもっとも巨大化した1959年式のキャデラック・エルドラド・コンバーチブル。

またジャガーやアルファ ロメオといったヨーロッパ製のスポーツカーに対抗するため、1953年に発売されたのが初代シボレー・コルベット(C1)だ。

シボレー初の2シーターオープンカーは、量産車としては初となるFRP(繊維強化プラスチック)ボディパネルを採用した。

2代目コルベット(C2)。スティングレイと名付けられた。クーペとオープンタイプがある。

1960〜’70年代にかけてブームとなったアメリカのマッスルカーを代表する一台には、ポンティアック・GTOがある。マニアックなレース仕様エンジンではなく、公道でハイパフォーマンスを味わえる300馬力オーバーの6.4LV8エンジンを搭載したGTOは大人気となった。また同じくポンティアックのファイヤーバード トランザムはテレビドラマ『ナイトライダー』で使用され、日本でも大人気となった。

ビュイックは戦前から日本に輸入され、キャデラックに次ぐ高級車として販売されていた。ベンチシート&コラムシフトにウッドパネルが貼られたリーガルワゴンは1980年代〜’90年代に人気となった一台だ。

軍用車ハンヴィーの民生仕様ハマーも、かつて日本で人気を集めたモデル。ハンヴィーの民生仕様はH1と呼ばれ、AMゼネラル社が手掛けたが、その後ブランドの使用権を得たGMは、シボレー・タホをベースにH2を、シボレー・コロラドをベースにH3を販売した。

なお経営破綻に至る過程でオールズモビル、ポンティアック、ハマー、サターンといったブランドを廃止。現在はキャデラック、ビュイック、GMC、シボレーや中国市場向けブランドのみとなっている。

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[現在の主な車種]

キャデラック・XT6

最上位機種のエスカレードよりもひと回り小さい(といっても全長5060×全幅1960×全高1775mmと十分に大きい)SUVが2019年末に導入されたXT6だ。

2×2×2の6人乗りのみで、3列目を含めてすべての席がファーストクラス。ウッドや本革など本物の素材にこだわった贅沢なインテリアを備えるほか、半自動運転技術や、騒音を打ち消して車内の静粛性を高める機能などラグジュアリーSUVとしての装備をたっぷり備えている。3.6Lエンジンに9速ATの組みあわせ・4WDのみ。

 

シボレー・コルベット

2020年1月に日本でも予約が始まった8代目コルベット。正式な日本仕様は2020年7月に発表され、2021年春から納車が始まる。注目は、従来からのFRをやめ、エンジンをシート後ろに配して後輪を駆動させるMRになったことだ。最高出力495hp/最大トルク637Nmを発揮する6.2LのV8エンジンに8速ATが組み合わされる。

価格は既に発表されているが、同じMRのスーパーカーであるフェラーリやランボルギーニよりグッと安い1180万円からとなっている。

 

シボレー・カマロ

最初は安くて(といっても現行型は500万円オーバー)速い、若者向けクーペとして登場した。4代目が生産終了した2002年から一度は途絶えたが、2009年に5代目が復活。2015年に6代目となったカマロは、日本では2017年から販売された。

2018年にはマイナーチェンジが行われている。ベースグレードとコンバーチブルは2Lターボ+8速AT、トップグレードのSSは最高出力453psのV8エンジン+10段ATだ。

車のトリセツとは?
走行に関するトリセツはダッシュボードの中にあるけれど、各メーカーの車の魅力を紐解くトリセツはなかなか見つからない。だから始める、オートマティックで好きになったあの車を深掘り、好きな理由を探るマニュアル的連載。
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籠島康弘=文

# GM# ゼネラルモーターズ# トリセツ#
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