OCEANS

SHARE

キャデラック、コルベット、ハマー……。無数の名車を生み出す

その後も成長を続けるGMは1931年に販売台数で世界一になると、そこから何と77年間誰にもトップの座を譲らなかった。しかし2008年ついにトヨタに世界一を明け渡すと、2009年には経営破綻。一時は国有化されたが、2013年にアメリカ政府がGMの株をすべて売却したことで、再び独立を果たした。
世界一を77年間という長期間守り続けたGMゆえ、時代を飾った名車は数え切れないほど存在する。
例えば1950年代のアメリカ車を象徴するテールフィンはキャデラックから始まったとされ、その設計のためにデザイナーたちはわざわざ空軍基地まで行き、最新の戦闘機を観察したという逸話が残る。
テールフィンがもっとも巨大化した1959年式のキャデラック・エルドラド・コンバーチブル。
またジャガーやアルファ ロメオといったヨーロッパ製のスポーツカーに対抗するため、1953年に発売されたのが初代シボレー・コルベット(C1)だ。
シボレー初の2シーターオープンカーは、量産車としては初となるFRP(繊維強化プラスチック)ボディパネルを採用した。
2代目コルベット(C2)。スティングレイと名付けられた。クーペとオープンタイプがある。
1960〜’70年代にかけてブームとなったアメリカのマッスルカーを代表する一台には、ポンティアック・GTOがある。マニアックなレース仕様エンジンではなく、公道でハイパフォーマンスを味わえる300馬力オーバーの6.4LV8エンジンを搭載したGTOは大人気となった。また同じくポンティアックのファイヤーバード トランザムはテレビドラマ『ナイトライダー』で使用され、日本でも大人気となった。
ビュイックは戦前から日本に輸入され、キャデラックに次ぐ高級車として販売されていた。ベンチシート&コラムシフトにウッドパネルが貼られたリーガルワゴンは1980年代〜’90年代に人気となった一台だ。
軍用車ハンヴィーの民生仕様ハマーも、かつて日本で人気を集めたモデル。ハンヴィーの民生仕様はH1と呼ばれ、AMゼネラル社が手掛けたが、その後ブランドの使用権を得たGMは、シボレー・タホをベースにH2を、シボレー・コロラドをベースにH3を販売した。
なお経営破綻に至る過程でオールズモビル、ポンティアック、ハマー、サターンといったブランドを廃止。現在はキャデラック、ビュイック、GMC、シボレーや中国市場向けブランドのみとなっている。


3/3

次の記事を読み込んでいます。