2020.03.16
CAR

知ってるようで知らない「車のサブスク」は、リースやシェアとどう違う?

音楽に映画、洋服やバッグ、料理、家電……と今や何でもサブスク! な時代だけど、「車のサブスクってどうなの!?」と思う人はまだまだ多いだろう。

さまざまな事業者や車メーカーからサービスがスタートしている車のサブスク。

購入やリースと比べておトクなの? どんな車に乗れるの? といった車のサブスクへの疑問、お答えします。

 

まずは、サブスク以前の車の持ち方をおさらい

サブスクを見る前に、そもそもこれまでに車を所有するにはどんなものがあるのか、一覧でおさらいをしておきたい。常時自分で使える車を手に入れるには大きく下記の方法がある。

●は都度負担、▲は契約内容により異なる、○はリース料に含む。カーリースとサブスクリプションは厳密には「所有」ではないが、占有的に使える車が常に手元にある状態という意味で、こちらの表に加えている。

ローンやカーリース、サブスクリプションの詳細については各社で違うため、上記はあくまでも一例だが、ご覧のようにサブスクはカーリースとほとんど同じ。満期契約後にまだ車に乗りたい場合は、新たな車の契約が必要だし、期間中の中途解約に解約金が必要になることもカーリースとほぼ同じだ。

音楽や映画のサブスクは月々定額を払えばどんな曲でも作品でも選べるが、車の場合は毎日とっかえひっかえ乗れるというわけではない。

月々定額で一台を一定期間乗れるというサービスで、これもカーリースと同様だ。そうなのだ、サブスクとは従来のカーリースの一種だと考えると、分かりやすいだろう。

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じゃあ、カーリースとサブスクの違いは?

その正確な答えは「各社それぞれのサブスク、カーリースの定義によって異なる」となってしまうが、単に「カーリースより、流行のサブスクって名前にしたほうが良くない?」という理由だけで、車のサブスクサービスが立ち上がったわけではもちろんない。

サブスクがこれだけ世の中に浸透している大きな理由のひとつに「支払い額が明確であること」がある。

そもそも車を所有・維持していくためには上記の表の通り、車両本体価格以外に実にさまざまな支払いが待っている。しかもタイミングや支払う金額がバラバラで分かりにくい。

例えば車検なら最初は購入後3年目、以降2年ごとだし、その料金も車を預ける工場によってまちまちだ。自動車税は毎年払わなければならない一方で、整備費用は必要になったその都度払うしかない。

また任意の自動車保険の支払金額は、車種や加入者の保険等級などによって、いくら払えばいいのかも一定ではない。

このように音楽や映画と違い、支払う金額も時期もバラバラなことが“面倒臭さ”なのだが、それを「なるべく分かりやすく、月々一定額を払えばほとんどすべてまかなえる」ようにしたというのが、車のサブスクというわけなのだ。

だから、一般的なカーリースと違い、例えば任意の自動車保険は毎月定額のリース料に組み込まれていることが多く、整備費用も整備内容によっては追加負担なしで整備してもらえるケースが多い。そんな風に、なるべく定額のリース料だけで車が乗れるようにしているのだ。

さらに購入の場合で次の車に買い替えする際に、次の車購入の資金源になる愛車の下取り額が心配だが、サブスク(やカーリース)ならそうした心配は不要。契約満期後は乗りたい車の契約を新たに結べばいいだけだ。

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今はどんなサブスクサービスがあるの?

では、現在どんな車のサブスクがあるのか。トヨタの「KINTO(キント)」やボルボの「スマボ」はテレビのCMで耳にした人も多いだろう。ほかにも大手では、ホンダは「ホンダマンスリーオーナー」を、IDOM(旧ガリバーインターナショナル。中古車販売大手)が「NOREL(ノレル)」と「マイカー・トライアル」を展開している。ざっと比較すると下記の通りだ。

トヨタやボルボ、ホンダといった自動車メーカー系は、当然ながら当該メーカーの車種から選ぶことになる。

車種によって毎月の定額リース料が異なるのはどこも同じで、例えばキントでいえばコンパクトカーのパッソが月額3万2780円〜、プリウスが月額5万710円〜、C-HRが月額5万2800円〜、ランドクルーザーが月額8万8000円〜という具合に、車のグレードが高くなれば利用料金も高くなる。

キントのホームページより。

「え、プリウスで月々5万円の支払いなんて、ローンと比べたら高くない?」と思う人も多いだろう。確かにローンで月々5万円を出すなら、よりグレードの高い車を狙いたくなる。しかし上記の金額はローンではなく、車検代や保険代、一部整備代などをすべてコミコミにしたからこその金額だ。

繰り返しになるが、車検や任意の自動車保険の支払いで慌てることはないし、車の車両本体価格分だけでみれば、通常のローンよりも支払い額は安くなる。

また利用期間の違いにも注目したい。特にホンダマンスリーオーナーやマイカートライアルは1カ月だけ利用することもできるなど、カーリースとの違いが際立っている。ボルボも中古車なら1年間と、新車と比べて短い期間を設定できる。こうした「お試し期間」的なサービスがあるのも、カーリースとは違う点だろう。

月々の支払いに含まれる整備内容ひとつとっても、各社で微妙な差がある。検討する際はそういった点も比較して検討したほうがいいだろう。

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レンタカーやカーシェアと比べたメリットは?

最近は、車を所有するのではなく、「必要なときだけ利用する」という選択肢もある。レンタカーやカーシェアリングだ。それと比べて、どう違うのだろう。再び表にして見てみよう。

費用だけ見れば、このように断然レンタカーやカーシェアリングのほうが安上がりに見える。特に都市部での月々の駐車場代はバカにならないだろう。

しかし、サブスクなら「自分だけの車」になるが、レンタカーやカーシェアリングは「他人と共有している車」を利用することになる。だからオプションやボディカラーが自由に選べないし、また他人が利用しているときは乗ることができない。

支払い額も、サブスクなら先々までの支払い額を見通しやすいが、レンタカー等は使用した時間や距離でまちまちだ。

このように、車のサブスクはまず「自分だけがいつでも乗れる車が欲しい!」という人に向いているだろう。しかも上記で見るように購入と比べて費用を抑えられるし、次の車に乗り替えもスムーズだから、「いろんな車にたくさん乗ってみたい」という人にもオススメ。

所有から体験の時代へと言われて久しい昨今。車を購入する喜びはもちろんあるが、こんな新しい時代の波を乗りこなすカーライフも、きっと楽しい体験になるはずだ。

 

籠島康弘=文

# カーリース# サブスクリプション#
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