乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.77
2020.03.12
CAR

[TOY CAR STORY]ラクして時短を条件に、遊べる車のリア空間をDIY

TOY CAR STORY vol.5●「オーシャンズ仕様のカスタムカー、つくります!」 と、高らかに宣言して始める「TOY CAR(トイ・カー)」プロジェクト。大人がドキドキ・ワクワクする最高にオモチャな車の仕上がりまでを追う。

フィアット・パンダの2代目マニュアルモデルをベースに、世界に一台だけの最高に楽しいトイ・カーをつくる本プロジェクト。前回までにDIYによるオリジナルカラーへの塗装が完了した。

塗装が完了したトイ・カー 。マットなイエローとブラックのツートンカラーで塗られた世界に一台だけのエクステリアに仕上がった。

あとはトイ・カーらしいアイテムを備えるだけ、となったが、今回、トイ・カーのリア空間に取り付けたのが、取り外しができる収納&キッチンキャビネット。教えてくれたのは今回も、カードローブ代表の田島さんだ。

田島直哉(たじまなおや)さん
1977年生まれ。輸入車を中心とした車の販売とスタイリングを手掛けるカーショップ、Cardrobe!(カードローブ)代表。以前はビームスに勤務。センスのいい車を求めて訪ねる人が後を絶たない。オーシャンズとともにトイ・カー作りを進めてくれる。

 

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時間と手間を掛けないことが、“遊べる”ための条件

「ただはめ込んだだけです。取り付けにビスなどは使ってないので、工具なしで取り外すこともできますよ」と田島さんは言う。

パンダのトランク部分に取り付けたキッチンキャビネット。

このキッチンキャビネットはホームセンターで手に入る材料で作られている。そう、簡単にDIYできるのだ。

パンダのリアシートを外して、そこにピッタリとハマるようにサイズを測ったと田島さん。だから走行中に揺れてずれ落ちることもないし、気分が変わったら、キッチンキャビネットを外してリアシートを再び取り付けることも簡単だ。

リアシートを外した状態のリア空間。

まるでパンダに前から備わっていたかのようにピタリとハマっている1〜2人用のキッチンキャビネット。「コンパクトなパンダがベースだから、家族4人でキャンプに出掛ける人はまずいないでしょう。そこでリアシートを外して、1〜2人で出掛けるキャンプや車中泊を想定してこのキットを製作しました」。

確かに最大2名で出掛けるなら、リアシートはそもそも荷物置き場になるわけで、だったら最初から収納スペースとして利用しやすいようにしたほうがいい、というわけだ。

リアシートの部分も、滑り止め付きのコンテナボックス置き場に。

田島さんが特にこだわったのは「到着した先ですぐに寛げる」ということ。

「僕がキャンプや車中泊旅へ行くといつも感じるのは、テーブルに荷物置きにコンロや照明などを車から降ろして一つひとつを広げて……という時間がもったいないということ。こうした設営時間を短くすれば、それだけ旅先で寛いだりキャンプを楽しむ時間を増やせます」。

最近はインスタ映えを狙って、たくさんの道具をきれいに配置して、なんて人も多いが……。

「それの真逆ですね(笑)、旅先の空の下や、大自然の中でボーッと過ごすゆったりとした時間そのものが大切なわけで、準備や片付けの時間はできるだけ短時間でラクしたい」。

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上下2枚の天板と、2人分には十分な収納

だからキッチンキャビネットには上と下に1枚ずつ、スライド式テーブルが設けられている。

上のテーブルは主に調理時に、下のテーブルは主に食事やコーヒーなどで寛ぐ際に使える。これなら別途テーブルを持っていく必要もなければ、それを開いて配置する手間も時間も不要。

[上]上段の引き出し天板は、立って作業するのにちょうど良い高さ。[下]下段の引き出し天板は、作業台としても、アウトドアチェアに座った状態でテーブルとしても使える。

トランクが小さいパンダにとって、かさばるテーブルやキッチン台を載せなくていいのは大きなメリットと言えるだろう。

しかし、積載量を減らすことがこのキットのポイントじゃない。田島さんの言うとおり「到着した先ですぐにキャンプを始められる」ことこそ、最大の魅力なのだ。それは、キャンプ地に到着した時点からの流れを見ればわかる。

バックドアを開ければ、すぐにコーヒーの準備を開始。

到着したら車を止めてバックドアを開ける。キットのテーブルをサッと引き出し、そのすぐ下にある収納スペースから調理道具を取り出せばすぐに調理に取りかかれる。

お湯を沸かしている間にでも、開けたバックドアにハンギングチェーンを張って、カラビナをかければ、調理道具やランタンなどを吊すこともできる。これなら調理テーブルがごちゃごちゃすることもない。

「こうやってダラダラしてる時間が、いちばん大事でしょ(笑)」。

コーヒーや料理ができたら、下のテーブルを引き出して、そばにイスを構えればいいだけ。一連の動作にまったく無駄がない。田島さんの狙い通り「到着した先ですぐにキャンプを始められる」というわけだ。

収納スペースは上下のテーブルの間のほかにも、キッチンキャビネットの下と、リアシートのあった部分を使える。ちなみに、このときはソロキャンが好きな田島さんが普段から使っている道具を並べてもらったのだが、どれもサッと使えるものばかり。写真では道具がたくさんあって、これだけの道具が収まっていたなんて思えないかも知れないが、実はこれらを収めても、収納スペースにはまだまだ余裕がある。

こうして1人や2人でサッと設営できてすぐキャンプを楽しめるトイ・カーのオリジナル装備が完成した。「材料費は1万5000円くらい。塗装はしません。コーヒーをこぼしてできたテーブルのシミも、“味”になりますからね」。

天板と観音扉を閉じた状態では収納スペースに。中段にはよく出し入れする小物を、下段には寝袋やタープなどを収納するのがオススメ。

もし自分でDIYするなら、採寸を念入りに。そこにどんなものを備えたいのかじっくり考えることが大切だと田島さん。「きちんと採寸して作れば、車にビス留めしなくてもガタつかずにハマるものが作れるはずです。どんなものを作りたいのかを考えることには時間はかかりましたが、作業自体は難しいものではありません」。

小さなパンダだからこそミニマムで、かつ素早く、たっぷりとアウトドアでの時間を楽しめるリア空間。我らがパンダがますます頼もしい相棒になってきた!

 

えっ!? じゃあ寝る場所はどうするんだって? 次回はトイ・カーの寝室スペースになる田島さんオススメのルーフトップテントを紹介する。 乞うご期待!

[取材協力]
カードローブ
Instagram:@cardrobe_tokyo

 

籠島康弘=文

# カードローブ# カスタムカー# トイカー# パンダ#
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