乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.67
2019.12.07
CAR

ポルシェ初の電気自動車「タイカン」は、未来であり、実は原点でもある!?

欧州メーカーが一気に電気自動車へと傾倒している。

地球温暖化対策として欧州の各都市が省エネ基準を厳しくしていることもあり、こうした流れは当然なのだが、ついにポルシェも、初の電気自動車タイカンを日本でお披露目した。

電気自動車でも、ポルシェらしさはあるのか?

 

ポルシェの伝統とこれから。その両方を

3つ数える間に、止まった状態から100km/hに到達できる。0-100km/hは2.8秒。そんな超スーパーカー「タイカン」。グレードは4S、ターボ、ターボSの3種類あるが、価格はまだ未定。

電気自動車なのに、エンジンへ空気を押し込む「ターボ」がグレード名に付くってなんでやねん! とくだらないツッコミをしたくなるが、恐らくポルシェ伝統のグレード名を、タイカンでも表現したかったのだろう。

最高出力/最大トルクは4Sが435ps/640N・m、ターボが625ps/850N・m、ターボSが625ps/1050N・m。「ここいちばん、バチッとキメる!」際には、同じく内燃機関由来の言葉を使った「オーバーブースト」機能を備え、それぞれ最高出力がアップ。ターボSでは761psまで“ブーストアップ”される。先述した2.8秒は、ターボSのオーバーブースト時に叩き出す数値だ。

日本では11月20日(水)に実車が初公開された。エクステリアはいかにもポルシェ一族。4ドアセダンなのにサイドからの見た目はパナメーラよりも911に近い。しかもしっかりと最新モノだと感じさせるデザインで、スイッチやツマミが見当たらないインテリアに至ってはかなりフューチャリスティック。もう販売が公言されているのが不思議なくらい未来感のある車だ。

ドライバー正面には湾曲した液晶パネルがあるのみ。速度計など必要な情報はここに表示される。センターコンソールにも上下それぞれにディスプレイが備わるだけ。タッチして必要な画面を呼び出して操作できるのはもちろん、音声でも操作できる。スマホでのドアの施解錠も可能だ。さらに助手席正面にもディスプレイを設置できる。

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タイカンは、ポルシェの最新にして原点!?

航続距離は4Sで最長463km。いくら快適なポルシェとはいえ、400kmも走れば休憩したくなる。その間に充電ができるので、遠出には十分な航続距離といえそうだ。日本中に備えられているCHAdeMO規格の急速充電器に対応するほか、ポルシェ独自の急速充電器を、全国のポルシェセンターや公共施設に設置するという。

何しろ超スーパーカーだ。バッテリー容量は93.4kWhと日産リーフの大容量版62kWh車の約1.5倍もある。これだけの大きなプールを満たすには、コップではなく大きなバケツで注ぐほうが早い、とばかりに、独自にパワフルな150kWの急速充電器も用意したというわけだ。

それだけ大容量のバッテリーがボディ下部に敷きつめられるため、911より重心が低いという。重心が低いほど運動性能に関しては何かと都合がいい。0-100km/hが2.8秒というような加速力だけでなく、ポルシェらしいハンドリングも期待できそうだ。

ポルシェの代名詞とも言える空冷の水平対向エンジン愛好者からすれば、タイカンの発表は「ポルシェよ、お前もか!」かも知れない。

だが実は、同社の祖であるフェルディナント・ポルシェは水平対向エンジンよりも前、わずか23歳のときに電気自動車を作ったことで、自動車業界への扉を開いたとか。

さて、タイカンはどんな扉を開いてくれるのだろう。

 

籠島康弘=文

# タイカン# ポルシェ# 電気自動車
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