乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.64
2019.11.16
CAR

[TOY CAR STORY]愛車をDIYでオールペン。誰でも最高に仕上げるコツ

TOY CAR STORY vol.3●「オーシャンズ仕様のカスタムカー、つくります!」 と、高らかに宣言して始める「TOY CAR(トイ・カー)」プロジェクト。大人がドキドキ・ワクワクする最高にオモチャな車の仕上がりまでを追う。

>前回の「パンダ発見!からのDIYオールペンに挑戦だ‼︎」はコチラ

世界に一台だけの最高にオモチャなトイ・カーをつくる本プロジェクト。前回は見た目を決定づける塗装の下準備を行い、今回はいよいよ塗装である。

なのだが、本プロジェクトのテーマは「DIYカスタム」。初めて塗装するなら、まずはそのコツを押さえておかないと。

というわけで今回は「誰にでもできるハケとローラーでDIYオールペンのポイント」をトイ・カーづくりのスピンオフ編として紹介しよう。

教えてくれるのは今回ももちろん、

田島直哉(たじまなおや)さん
1977年生まれ。輸入車を中心とした車の販売とスタイリングを手掛けるカーショップ、Cardrobe!(カードローブ)代表。以前はビームスに勤務。センスのいい車を求めて訪ねる人が後を絶たない。オーシャンズとともにトイ・カーつくりを進めてくれる。

 

 

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POINT1:自分で塗るなら水性塗料を

前回に続いて、塗料が弾かれないようボディ表面の油分を落とす「脱脂」を行ったあとに、ようやく塗料を塗る。

今回使用するタカラ塗料の水性塗料のDIYキット「刷毛・ローラーセット(3人用)」1万円。今回塗るフィアット・パンダのボディ用に3kg、ルーフ用に1kgの水性塗料を用意してもらった。

今回使う塗料は水性塗料。「近年の水性塗料は、油性塗料と比べても撥水性や耐久性に遜色はなく、扱いも簡単。しかも乾くまでは水で洗い流せて、刺激臭も抑えられているので、初めてのDIYペイントに適した塗料ですね」(田島さん ※以下カッコ内はすべて)。

 

塗りやすくするために、少し薄める

塗料は粘度が高いと塗りにくく、その結果伸びが悪くなって塗装面にハケ目が残ったり、ローラーなら塗りムラができて凹凸が残りやすくなる。そのため希釈、つまり薄めて使う必要がある。

「水性塗料の場合はたいてい水道水での希釈でOKです。希釈率は商品によって異なりますが、今回の塗料は5〜10%と同封されているガイドに記載されているので、この範囲で希釈しましょう」。希釈率に5〜10%などと幅があるのは、気温によって希釈率を変える必要があるからだ。

今回は、タカラ塗料のセットに同梱されている水性塗料用希釈液を使用。ほとんどの場合が水道水で薄めてOKだ。

例えば冬の寒い時期は塗料が硬くなっているため、希釈率を高め、暑い時期はその逆に、という具合、ここはしっかり計量しながら薄めていこう。

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ローラーで塗るか? ハケで攻めるか?

自動車工場なら、エアスプレーでガンガン塗装することもできるが、フツーは塗料のエアスプレーなんて持ってない。今回の塗料をつくってくれたタカラ塗料も、当然その前提でハケとローラーをカーペイントセットのなかに用意してくれている。それにハケやローラーのほうが、ワイワイ楽しみながらやれるのでDIY感が出るってものだ。

大きい面はローラーで。

「大きな面を塗るときはローラーで、細かい部分を塗るときはハケで、と使い分けることが基本」と田島さん。

細かな部分はハケで。

ローラーで広い面を効率的に塗り、ローラーの一部が浮いてうまく塗装できない(車の外装は大体カーブしており、真っ平らな部分はほとんどないのだ)ところはハケを使う、という感じだ。

 

液ダレ注意! ハケやローラーへの塗料の付け過ぎは厳禁

水性塗料は乾くのが早い。塗料がタラ〜とタレて、そのまま水滴状に乾いてしまと、塗装面に凹凸ができてしまう。

塗装面に塗料を乗せ過ぎるとこのようにタレてくる。これは放置せず乾く前に伸ばそう。

またバケツから取り出したばかりで塗料を最も含んだ状態のときの、ハケやローラーの第一投(最初に触れる)部分はほかより塗料が付着しがちだ。薄く伸ばさずそのまま放置すると、やはり乾いて凹凸(液ダマ)の原因になる。液ダレ&液ダマは仕上がりのキレイさに直結するで要注意だ。

「ハケやローラーに、塗る前から塗料がタレるほど沢山含ませるのは厳禁です。バケツ内でこれでもかとしっかり余分な塗料を落としてから塗るのがポイントですね」。

バケツの縁でトントンと塗料を落とす。ちょっと落とし過ぎ? ぐらいでちょうど良い。

ローラーを塗る部分に押しつけると塗料がタップリと出てくるので、軽く塗装面に当てる程度が◎。

塗る方向は、基本は上から下へ。下へ下へ向かって塗るようにすれば、もしタレてもすぐにハケやローラーでタレを押さえやすくなる。

上から下へ。塗る方向を揃えれば塗装も均一になりやすい。

「ちなみに、いちばん最初は比較的平らで塗装のしやすいボンネットで塗る練習するのが良いと思います。どれくらい塗料をハケやローラーに含ませればいいか、どれくらい伸びるのか、ローラーを押さえる強さはどのくらいかなどを確かめてから、液ダレしやすいドア部分などの90度の部分に挑戦したほうがいいでしょう」。

 

とにかく薄く塗る、それを重ねていく。が基本

「ハケやローラーにあまり染み込ませないなら、塗装が薄くなるんじゃ?」と思うだろうが、その通り。1回塗った程度ではまったくもって薄い。しかし、それでいいのだ。

一度目の塗りはこれぐらい。まだまだ元の塗装の色が見えている。

「一度塗って、乾いてからまた塗る。これを繰り返して薄い色を重ねていくと、次第に想定している色に近づいていきます。最低でも3回ぐらいは必要ですね」。塗り重ねる回数は、実際の塗装面を見ながら、求める色になったかどうかで判断しよう。

一度目が乾いたら、2回目を塗り始める。指で塗装面を軽く押さえて指紋がつかなければ乾いたサイン 。

折り目の部分や凹凸のある部分は、塗りにくいこともあり、同じ1回でも塗りが浅くなってしまう箇所が出やすいのでより慎重に、ハケも使いながら塗るようにしたい。

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パネルごとに、順番に塗っていく

車はボンネットやフロントドア、リアドア、ルーフという具合にパネルが別れている。「例えばいちばん塗りやすいボンネットだけ重ね塗りをして完成させれば、次にフロントドアを塗装する際に、ボンネットの色と見比べながら重ね塗りしていけるので、色がところどころちぐはぐに、なんてことがなくなります」。

ボンネットの色に合わせながら、ほかの部分も塗って行く。「大勢でやるとここからは早いですよ」。

複数人でやる場合も、どこか一部を先に塗っておいて、みんなでその部分を見ながら仕上げて行くのが良いだろう。

 

塗料は開けたらすぐ閉める、を繰り返す

塗料を何度かバケツにとる場合、希釈率はなるべく途中で変えないことが重要。希釈率を変えると、色が微妙に変わる可能性があるのだ。

「一度希釈した塗料を別日に使う、つまり長時間放置してしまうと、水分が蒸発して希釈率が変わってしまいます。すると塗りにくくなったり、色が変わったりしてしまう。かといって水を足そうにも、どれくらい蒸発したかわからないから、どれだけ水を足せばいいかもわからない。希釈した塗料は使い切る。が鉄則です」。

塗料の容器も使ったら閉める。開けっ放しは厳禁だ。

また塗料が乾かないよう、容器のフタは開けたらすぐに閉めることを忘れずに。「塗料の大元が乾いてしまったら、同じ量の水を入れても希釈率が変わってしまいますし、フタを開けているとホコリなどの不純物も混ざってしまいます」。

「一度希釈した塗料はできるだけその日のうちに使い切りましょう」。あと、翌日以降に使うハケやローラーは、乾く前に水洗いでキレイするのも忘れずに。

希釈率を変えることなく、薄く何度も塗り重ねていく。そしてそれをパネル毎に繰り返す。そうすることで車全体をキレイに同じ色に仕上げることができるのだ。

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……という具合に、いくつかルールがあり、地道な作業ではあるけれど、少しずつ丁寧にやれば難しいことはない!

自分でペイントした愛車は、文字通り愛情すら湧いてくるってもの。

「初めてでもコツはすぐ掴めると思いますよ。それに、そもそもプロに任せるのではなく、自分たちでやるんですから、多少のミスがあっても当たり前です。DIYはむしろちょっとしたミスやムラも味わいのうち、真剣に楽しんでやれば、どんな仕上がりでもそれが“最高”です。あっ、もちろん、今回のトイ・カーはキチンとキレイに塗りますよ(笑)」。

 次回はとうとうオーシャンズのトイ・カー、パンダのオールペンが完了した姿をお披露目! 乞うご期待!

 

[取材協力]
タカラ塗料
http://brush-carpaint.com

カードローブ
https://cardrobetokyo.com
Instagram:@cardrobe_tokyo

籠島康弘=文

# カードローブ# カスタムカー# トイカー#
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