2019.09.24
CAR

これからの主流となるEVについて。地球に優しい車は乗る人にも優しいか!?

今回はEVの先駆けとなる日産 リーフとジャガー Iペイスからその実力を検証してみた。

サステイナブルな服」がここ数シーズンで急速に増えた。多くのアパレルブランドが環境問題に目を向け始め、リサイクル素材などを使用した服が、大きなムーブメントとなっているのだ。

では、車はどうか?CO2の排出量削減は、環境問題に取り組む際の最優先事項であり、自動車のあり方がまず問われる。ドイツもイギリスもフランスも北欧諸国も、2030〜’40年を目処にエンジン車の販売を禁止する意向だ。

そこで気になるのは、車としての使い勝手や性能、そして我々のライフスタイルがどう変化するのか。今回はEVの先駆けとなる日産 リーフとジャガー Iペイスからその実力を検証してみた。

 

NISSAN LEAF 日産 リーフ

NISSAN LEAF 日産 リーフ

ボディサイズ:全長4480×全幅1790×全高1540mm
航続距離:322km(e+は458km)[WLTCモード]
バッテリー容量:40kWh(e+は62kWh) 乗車定員:5名
価格:324万3240円〜

世界初となるEV専用設計の量販モデルとして2010年に登場。累計40万台を突破したEV界のトレンドセッター。2代目となる現行型には大容量62kWhバッテリー搭載の上級モデル「e+」が加わり、満充電の航続距離は458km(WLTCモード)と大幅に延長された。

ワンペダルドライブを実現する「e-Pedal」、安全運転支援「プロパイロット」などがトピックス。コンパクトカーでも、安定したコーナリングやしなやかな乗り味など走行性能も侮れない。

車連載1910
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駆動用バッテリーは2種類。標準仕様40kWhの満充電航続距離は322km(WLTCモード)で、今回の取材車両である上位機種「e+」では62kWhと、満充電航続距離は458kmに。モニターの「電力消費計画面」はわかりやすく、エアコン使用時を含めた航続可能距離を表示。
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フロントに設けられた充電ソケット。普通充電とCHAdeMO対応の急速充電が備わり、充電の長時間化を抑えるため「e+」には、100kWの高出力急速充電に対応(標準仕様は50kW)。80%までの充電時間は50kWの急速充電器で小1時間だ。
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ステアリング右側部には高速道路の単一車線でアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御する「プロパイロット」スイッチが備わる。カーナビはApple CarPlayに加え、Android Autoにも対応。さらにアプリ「NissanConnect EV」を利用すれば、スマホでバッテリー残量や満充電までの目安時間が表示でき、エアコン操作もできる。
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荷室は標準仕様と同じ435Lを確保し、後席は6:4分割可倒式となる。
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センターコンソールには回生ブレーキによってアクセル操作のみでスピードの加減速を行える「e-Pedal」のON/OFFスイッチが備わる。
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世界でいちばん売れてるEV。リーフの登場で世の中が大きく変化
2010年に世界初の量産EVとしてデビューした日産 リーフ。初代はある意味で名車だった。電力や充電はどうするのかという課題を考えるきっかけとなったからだ。そしてショッピングモールや高級ホテルに急速充電器が設置されたり、大手デベロッパーと電機メーカーが手を組んでマンションに充電器を設置する動きにもつながった。

’11年の東日本大震災ではリーフに蓄えた電力を公共施設に供給するなど、従来の車とは異なる可能性があることもわかった。だが、同時に使用済みバッテリーをどうするか?という新たな問題が生まれたが、日産は福島県にEV用バッテリーの再生工場を新設することで対応した。

2010年に世界初の量産EVとしてデビューした日産 リーフ。

’17年、リーフは2代目へと移行。今年は航続距離がWLTCモードで458kmとパワーアップしたリーフ e+が加わった。日産の担当者によれば「一度リーフに乗ると、エンジン車には戻れない」とのことだけど、最新モデルに乗るとその言葉にウソはないとわかる。

日産の担当者によれば「一度リーフに乗ると、エンジン車には戻れない」とのことだけど、最新モデルに乗るとその言葉にウソはないとわかる。

鋭い出足はスポーツカーも顔負けで、おまけに静かで振動もない。しかも回転を上げることでパワーを絞り出すエンジンとは異なり、モーターは電流が流れた瞬間に最大の力を発揮するから、アクセル操作に対するレスポンスがケタ違いに速い。EVは環境だけでなく、ファン・トゥ・ドライブの面でも新たな可能性があるのだ。

パソコンもスマホも世界に遅れをとってしまった日本において、リーフの存在は、とても大きな意味を持つのだ。

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JAGUAR I-PACE ジャガー Iペイス

JAGUAR I-PACE ジャガー Iペイス

ボディサイズ:全長4695×全幅1895×全高1565mm
航続距離:438km[WLTCモード]
バッテリー容量:90kWh 乗車定員:5名
価格:959万円

ジャガー初となるEV。2つのモーターで出力400PSを発生し、航続距離は最長438km。しかし、こいつは単なるエコカーではない。秀逸なフットワークと0→100km/hは4.8秒という強力な加速。高揚感溢れる走りは、まさにジャガーそのものだ。

SUVであっても、EVであってもスポーティなファン・トゥ・ドライブを実現。水深500mmまでの渡河能力に加え、エアサスペンション仕様で、車高ダウンは40mmまで、アップは50mmまで可能。オフロードにも強い!

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バッテリー容量は90kWh、航続距離438km(WLTCモード)。総合出力400PS、トルク696Nmの性能と、V8スーパーチャージャーに匹敵する0→100km/h=4.8秒の性能を叩き出す。50kWの国内CHAdeMO急速充電に対応し、80%までの充電は約85分。
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荷室容量は通常時656L、最大時1453L。フロントフード部分には27Lの小物入れも。
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未来志向というよりはスポーティな印象のコックピット。電気式無段変速機のギアセレクターはスイッチタイプ。近づいてくるドライバーを認識し室内環境を自動調節する「スマートセッティング」など最新コネクティビティも拡充している。特にスロットルレスポンスやダンパー特性、ハンドルの重さなどをよりスポーティなものとする「ダイナミックモード」も用意。車両クリープのON/OFF、回生ブレーキの強・弱は任意で選べるほか、 室内にエンジン音の擬音を響かせるヤンチャな演出も。
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オプションのパノラミックルーフを装備すれば開放感抜群。また、海や山で遊んでいるときでもカギを紛失する心配のない、バンドタイプの防水アクティビティキーも見逃せない有償装備だ。
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後席の頭上空間は若干狭く感じるものの、足元はゆとりがある。
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エコだけじゃない、Iペイスが証明したEVの高い走行性能
EVが出始めた頃、「モーターとバッテリーで走る電気自動車は、自動車メーカーじゃなくても簡単に造れる」なんてことを言う人も多かった。けれども、外部からEVに参入した企業が次々と成功を収める、ということにはなっていない。その理由は、ジャガー初のEV、Iペイスに乗るとよくわかる。

アクセルペダルを踏み込むと、じわーっと、滑らかに、かつ力強い加速感を味わえる。一説によるとジャガーはV型12気筒エンジンを筆頭に、過去の傑作モデルの「これくらいアクセルを踏むと、これくらい加速する」というデータをすべて解析しているらしい。そういったこれまで築き上げてきた資産を盛り込んで、「運転している人が気持ち良くなる」方向にチューニングしたら、新参メーカーはかなうまい。

その理由は、ジャガー初のEV、Iペイスに乗るとよくわかる。

ジャガーはもともと1950年代のルマン24時間レースを席巻してスポーツカーで名を上げたメーカーで、それはIペイスにもしっかりと受け継がれている。走りはしなやかで、コーナーの連続ではまさにネコ科の動物のような身のこなしで攻略する。

ジャガーはもともと1950年代のルマン24時間レースを席巻してスポーツカーで名を上げたメーカーで、それはIペイスにもしっかりと受け継がれている。

しかも、重たいエンジンを鼻先に積む従来の車と違って、重量物のバッテリーを床下に積むIペイスは、重心が低いのでフラつかない。道路にぴたりと吸い付くように走る。

「EVなんてだれでも造れる」「EVなんてどれも同じになる」という意見に、名門ジャガーはIペイスで真っ向から反論したのだ。

 

西崎博哉(MOUSTACHE)=写真 サトータケシ、iconic=文

# EV# ジャガー Iペイス# 日産 リーフ
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