乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.50
2019.08.30
CAR

人気の続くSUV。電気自動車との相性良しな4つの証拠

間もなく来る、車の近未来●近代自動車産業の始まりと言われるT型フォードが生まれて100年と少し。自動車の在り方は大きな変革期を迎えている。
これからの自分と車との付き合い方を考えるために知っておきたい、間もなくやって来る「近未来の車」のお話。

ここ数年の不動の人気車種といえばSUV。使い勝手がいいうえにカッコいいのが人気の理由だ。実はこのSUV、電気自動車ととても相性が良いのをご存知だろうか。

車体が大きいからバッテリーを沢山載せやすいし、駆動力があるモーターは重量が重くなりがちなSUVをわけなく加速させてくれる。

だから、“電気のSUV”が普通になれば、こんな特徴のあるSUVを作ることだってできるのだ。


BMW ビジョンiNEXT
次世代車に必須の「CASE」にBMWも動く

全車に「駆け抜ける歓び」を掲げるBMW。既にSUVでもBMWらしい走りの楽しさは実証済みだが、それが電気自動車になるとどうなるのか?を垣間見せてくれるのがビジョンiNEXTだ。

ビジョンiNEXTには電動化(E)をはじめ自動走行(A)、コネクティビティ(C)、サービス(S)と、次世代の車に欠かせないと言われる機能「CASE」が搭載される。一足早く登場したライバルのメルセデス・ベンツ「EQC」に対する、BMWの回答だ。

ちなみにBMWはライバルが提唱した「CASE」という言葉を使わず「ACES」と呼ぶ。

さらに、今後の車は移動中の居住性が重要になると考えた同社は、ACESにデザインを加えた「D-ACES」をこの車で提唱。車内はジャガード織りと暖色系のファブリックでまとめられ、操作系パネルやスイッチは呼び出されない限り姿を消している。

詳細なスペックはまだ明かされていないが、既にテスト走行を済ませるなど、2021年の市販化に向けて動き出している。


アストンマーティン ラゴンダオールテレインコンセプト
エレガントに未開の地を探検できる

アストンマーティンといえば映画007シリーズのボンドカーを数々供給してきた、スーパースポーツカーブランド。それが電気で動くSUV?といぶかることなかれ。電気SUVを作っても、やっぱりアストンマーティンなのだ。

「レッドカーペットのイベントから最果ての地への探検まで」というラゴンダオールテレイン。確かにロールスロイスのように観音開きのドアからドレスの女性がエスコートに支えられながら降り立ってもサマになる、近未来のリムジンスタイルだ。

もちろん自動運転機能も備え、走行中に前席を後ろ向きにして、後席の乗員と会話を楽しみながら、ホテルでも未開の地でも好きなところまで行くことができる。道中は車内に設けられた光の演出やルネサンス時代の技巧を取り入れた内装が乗員を楽しませてくれるだろう。

「世界初のゼロエミッションのラグジュアリーブランドを目指す」というラゴンダオールテレイン。確かにまだコンセプト段階だけど、英国ウェールズ州セントアサンに間もなく完成する工場は、2021年から同社の電気自動車の拠点として稼働する予定。ちなみに同工場からは今年中に同社初のSUVとなるDBXが登場する。新たなラグジュアリーSUVのカタチを見せてくれる期待大だ。

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フォルクスワーゲン ID.ROOMZZ 

PM2.5から車内を守る中国向けSUV

フォルクスワーゲンが開発中の次世代ビークルには、いずれも「ID」が付けられる。ID.ROOMZZはIDシリーズの第6弾で、2021年に中国で発売が予定されているSUVだ。

前後に搭載された電気モーターを駆動させる4WD。航続可能距離は450kmとなる。

もちろん自動運転機能を装備し、移動中は後席の乗員と会話を楽しめるよう前席のシートが25度回転する。操作系のスイッチやディスプレイは運転席にコンパクトにまとめられ、車内はスッキリとしている。また中国市場を意識して、PM2.5などで汚れた外気を車内に取り込まないよう、空気清浄システムも搭載されている。

実は、中国は電気自動車の普及に積極的な国。それもあってフォルクスワーゲンは2028年までの電気自動車の生産目標2020万台のうち、半数以上となる1160万台を中国で生産する予定だ。


ルノー シティK-ZE
未舗装で狭い道もスイスイ行ける

ルノーが今年の上海モーターショーでお披露目した電気自動車が、日本でいえば軽自動車なみのコンパクトSUV、シティK-ZEだ。実はこのサイズのSUVって世界中でニーズがある。その証拠にスズキのジムニーは、スズキが最初に世界へ輸出した車だ。

世界には、文字通り道なき道を進まないといけない状況はたくさんある。まあ、未開の地とまではいかなくても、道が狭くて未舗装なんていうのはザラ。例えば国土の広い中国では、北京や上海など大都市から一歩離れれば、コンパクトSUVが活躍できる場所はたくさんあるというわけだ。

そこに電気自動車のコンパクトSUVを提案しているのがシティK-ZEだ。中国市場を意識して先述のID.ROOMZZ同様、空気清浄機能を装備している。

写真を見る限り、もう仕上がっていて市販化が近そう。何しろルノーといえばリーフを持つ日産やi-MiEVを開発した三菱と連携しているし、そもそも自社でもコンパクトな電気自動車を本国で販売している。電気自動車は得意なのだ。

そのうち日本でも、同車をベースにした軽自動車並みのコンパクトな電気SUVがでたら、これは要チェックな車の候補入りだろう。


世界中で人気のSUV。そこに電気自動車というポイントが加われば、その相性はまさに鬼に金棒なようだ。今後SUVの購入を狙うなら、電気という選択肢は、持っておくべきだろう。

籠島康弘=文

# SUV# 電気自動車
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