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OCEANS Fashion X Talk
福井さんが育ったのは長野県にある標高約1500mの湖のほとり。両親は今も、夏はカヌー教室、冬はペンションを営んでいるという。「遊び場と言えば目の前の湖や川、山といった自然しかありませんでした」。そこで高校生時代まで過ごした彼は、大学入学と同時に東京へ出てきて唖然としたという。
「日本人っていうのは誠実で、親切な人たちだと思っていたんですが……」。満員電車で平気で他人を押しのけて乗る、中には痴漢をはたらくけしからない輩もいる。
自分にとって身近な人、大切な人にそんなふうになってほしくないなと思っていた大学3年生のとき、ニューヨークへ遊びに行ったことが転機となった。
「たまたま入った自転車屋がピストバイクを販売していたんです。ちょうどメッセンジャーを主役にした映画が出来るほど、都会でのピストバイクがカルチャーとして盛り上がっていた頃で、大都会で暮らす人が自分だけのピストバイクをつくるために店員とやりとりしている様子がとてもにぎやかで『あ、オレもこんな店をやりたいな』と思ったんです」。
決めたら行動が早い。帰国して4カ月後には横浜に、日本ではまだあまり知られていないピストバイクの専門店『ブローチャーズ』をオープンさせた。
「自転車っていう乗り物は、スーツ姿の社会人でも制服姿の女子高生でも乗れる。自然の少ない東京で、誰もが手軽に楽しめるアウトドアスポーツのひとつが自転車だと思います」。
では福井さんにとって車はどうだろう?
「例えば自分の地元とか、自転車でも行けないような“非日常”のフィールドに連れていってくれるもの、自転車や犬と一緒に冒険させてくれるもの、ですかね」。大自然の中で育った原体験が、福井さんに海も山も湖もどこにでも連れて行ってくれるK5ブレイザーを選ばせたようだ。
愛犬ブロは4歳。K5ブレイザーを手に入れて程なく福井さんのもとへやって来た。ところが「日本のペット用品ショップって、犬が本当に欲しがっているものを置いてないんで、困ったんですよ」。
例えばドッグフード。「自然界の動物は当然ですが火を使わない(笑)。捕食して喰う、つまり生肉を食べます」。しかし店頭に並ぶのはたいてい加熱済みで、添加物がたくさん入り、買い主の手が汚れないことをメリットに挙げているものまである。
「愛犬は家族だとみんなよく言うけれど、家族に毎日カップ麺や加工食品を食べさせますか? だったら自分で作ろう」とドッグ用品ショップ「ドギーブロ」を2年前に立ち上げた。
「アメリカやヨーロッパにはこの手のお店はよくありますけど、そういう場所を日本にも作りたかった」。
ところでK5ブレイザーは、雪の降る冬の時期は稼働率が落ちるという。「このサイズのスタッドレスがないんですよ」。タイヤサイズを気にしなければあるのだが、福井さんは良しとしない。だったら雪のない海へ出かければいい、と。「とはいえやっぱり冬は動かす機会が減って、車の機嫌を損ねるとバッテリーが上がるんです(笑)」。
自然が好き、車に乗って自然の中に遊ぶことが楽しいという福井さん。それは自然を制圧するのではなく、子供のころから自然に溶け込むことの豊かさを知っているからだろう。
休日の遊びモードのスイッチを入れて、ワクワクしながら海沿いや山の中の目的地に向かうために、仕事用とは別にシボレー・K5ブレイザーを選んだ福井さん。「鉄部品はすぐ錆びるし、足回りのメンテナンスも頻繁に必要ですが、こんなに休日を楽しませてくれる車はほかにない。動かなくなるまでずっと乗り続けたいですね」。
乗れば気分をアゲてくれ、この先ずっと一緒に過ごしたくなるような愛車を、あなたも休日の相棒に探してみては?
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