乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.20
2018.12.27
CAR

「出会いは突然でした」VWのヴァナゴンが叶えた夢のカリフォルニアライフ

俺のクルマと、アイツのクルマ
男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。


■1人目■
スタンダード カルフォルニア 代表 阿久戸秀高さん(51歳)

1967年生まれ。高校生の頃からサーフィンを始めたこともあり、これまで購入した車はワゴンかSUVがほとんど。2003年から恵比寿にて、カリフォルニアを中心とした西海岸の空気とカルチャーを、ファンションを通じて伝えるセレクトショップ「スタンダード カリフォルニア」をオープン。妻と娘、犬2匹と暮らしている。
www.standardcalifornia.com/

 


■阿久戸さんの愛車■
フォルクスワーゲンのヴァナゴン(’91年式)

フォルクスワーゲンのトランスポーターシリーズの第3世代(T3)。ヴァナゴンとはアメリカで付けられた愛称だ。水平対向エンジンをリアに積み、後輪を駆動させるこの車は、同社のビートル同様アメリカの西海岸で人気に。特にサーファーやキャンパーがこよなく愛した。阿久戸さんは約5年前に中古で購入。


 

キャンプ・旅・家族。3つのキーワードがぶれない愛車選び

ラルフ•ローレンの元デザイナーで、バンで生活をしながら旅を続けるフォスター・ハンティトンが出版した写真集「HOME IS WHERE YOU PARK IT」。

仕事でサンフランシスコを訪れていた阿久戸さんが、たまたま目にしたその写真集の表紙には、キャンプ途中のヴァナゴンが映っていた。

写真集「HOME IS WHERE YOU PARK IT」の表紙。
写真集「HOME IS WHERE YOU PARK IT」の表紙。

「まるで自分のやりたいことが、絵になって突然目の前に現れたような感じでした」。娘が後ろに座って、妻が横にいて、リアゲートを開けて愛犬を乗せ、家族みんなでキャンプを楽しんでいる……。そんなリアルなシーンが次々に頭をよぎったそうだ。だから帰国後すぐにヴァナゴンを探して、今の愛車を手に入れた。

qocl_vanagon
web_Q9A1235
web_Q9A1203
web_Q9A1207
web_Q9A1210
web_Q9A1216
web_Q9A1217
web_Q9A1245
web_Q9A1235
web_Q9A1203
web_Q9A1207
web_Q9A1210
web_Q9A1216
web_Q9A1217
web_Q9A1245

大学生のときに初めて買った車は、サーフィンに行くために選んだトヨタのカリーナバン。以降ワゴンやSUV(当時はクロカンと呼ばれていた)が中心で、一度はボルボの240セダンを乗っていたこともある。「キレイな水色のボルボでね。今もちょっと乗りたいなぁと思うことがあるぐらい気に入ってました」。

そんなお気に入りのボルボから乗り換えたのが、今のヴァナゴンだ。

「子供の頃はボーイスカウトもやっていたくらいですから、もともとキャンプをするのは好きでした。特にキャンプを意識するようになったのは、9歳になる娘を一度キャンプに連れて行ったとき。あんなに笑顔になった彼女をこれまで見たことがないくらい、とても喜んでくれたんです」。

娘と一緒にまたキャンプに行きたいな。そんな思いが頭の片隅にあったとき、具体的な絵となって降りてきたのが、サンフランシスコで見かけたあの写真集の表紙だったというわけだ。

 

走った距離は数万キロ、思い出は星の数

以来、年に数回は家族とヴァナゴンに乗って出かけているという。「ヴァナゴンになってから旅に出ることが多くなりましたね。乗り心地が格段にいいというわけでもないし、速くもない。運転感覚もまるでバスみたいです。でもね、それが楽しいんですよ(笑)」。

楽しんでいるのは阿久戸さんだけではない。娘さんはお気に入りの席ができた。運転する阿久戸さんのすぐ後ろで、いつもリラックスしているという。それを笑顔で話す阿久戸さんを見ていると、まるで彼女の鼻歌まで聞こえてきそうだ。

2頭の愛犬たちも喜んでいる(はず)。「今までは家族で出かけても犬と一緒に泊まれるホテルがあまりなかったから、いつもお留守番をしてもらっていました。けれどヴァナゴンなら車中泊ができるから、彼らとも一緒に旅ができるんですよ」。

例えば今年は家族と愛犬を乗せて東京から北海道までクルマ旅に出かけた。青森まで走ってフェリーで函館に渡り、知床やニセコなど、きらめく星の下で車中泊をし、再び本州に戻ると奥入瀬渓谷でまた車中泊。自然をたっぷりと浴びる旅となった。

一方で、つい先日は日帰りで愛犬を乗せて箱根へも出かけたという。「向こうで妻が運転するジムニーと会う段取りをしておいて、一緒に食事をして、日帰り温泉に入ったりロープウェイに乗ったり」。

遠出もすれば、まるで散歩のように気軽に出かけることもある。「ヴァナゴンがウチに来てからというもの、1日の濃度が濃くなったように感じますね」。

 

可愛くて、頼もしい相棒

阿久戸さんのヴァナゴンは、ウェストファリア社がキャンパー仕様にカスタムしたモデル。ルーフにポップアップテントがあり、ここで寝ることができ、車内に簡易なキッチンが備わり、助手席側にはタープが収められているなど、キャンパーに人気のモデルだ。

 

足元は購入後にリフトアップして厚みのあるタイヤに交換。サーフボードをルーフに載せるために運転席側の後ろに梯子を備えた。さらにキャンプに必要なテーブルや二つのベンチを載せるためバックには自転車キャリアを代用して備えている。

ランタンとクーラーボックスを常時備え「いつでも旅に出かけられる」準備は万端。

「最新の車と比べたら燃費は悪いし、一度エンジンは壊れたし(笑)。まあこれからもいろいろあると思うけれど、ずっと乗っていると思います」。

何しろ、理想のライフスタイルが絵となって「降りてきた」車なのだから。

 

家族や愛犬とともにキャンプを楽しみたいなら、ヴァナゴンみたいなキャンピングカーってアリじゃないか。

さて、阿久戸さんに同じくカーライフを満喫している人を尋ねると、ロンハーマンのPR担当、福本さんを紹介してもらった。愛車はトヨタのランドクルーザー60だ。果たしてどんな出合いが福本さんとの間にあったのか!? そのお話は、また次回に。

鳥居健次郎=撮影 籠島康弘=取材・文

# ヴァナゴン# クルマ# スタンダードカリフォルニア# フォルクスワーゲン
更に読み込む