念願のウォッチケースにビルトインして最強の自己表現に

さて、肝心のウォッチケースに話を移そう。ブランドは、シルバーアクセ界の巨頭のひとつであるA&Gだ。
90年代のアメカジ・渋カジブームを牽引したLA発のシルバーブランドで、クロムハーツとも肩を並べる存在だった。40代〜50代初頭の読者ならば、今でも熱くなる人も少なくないだろう。
「世代ですからね。僕がデビューした90年代はシルバーアクセの百花繚乱時代。クロムハーツのほか、ガボールやレナート・カムホート、ビル ウォールレザーなんかも人気でした。僕は、デザイナーのふたりがヨーロッパ人だったA&Gが、ちょっと洒脱なムードがあって好きだったんです。
ウォッチケースを選ぶ際、当時の自分にはふたつの選択肢がありました。最初から時計が組み込まれているクロムハーツか、手持ちの時計を取り付けられるA&Gか。
かなり迷いましたが、愛用のロレックスと合わせられるならと、気持ちはA&Gに傾いていたんです。
そんな折、当時、仕事をご一緒していた大先輩のスタイリストに、“A&GのカタログをLAで撮影するから、希望があれば買ってくるよ”と言っていただいたので、“絶好のチャンス!”と、このウォッチケースを依頼しました。
人気絶頂のなか、入手は難しいかなと思ったのですが、運良く希望のフレアモチーフを購入できたとの報告が。自分にとっては幸運のモチーフでもあります」
こうして、セルフプロデュースの意味を込めて手に入れたロレックスを、さらにその個性を際立たせるA&Gのシルバーケースにビルドインして、最強の自己表現ツールを手にした。
「とある伝説的なバンドのヘアメイクを担当していたときに、そのボーカルの方がこの時計のことをめちゃくちゃ気に入ってくれて。
“マイクを持つ手に映えるんじゃない?”ってことでテレビのステージでしたが、お貸ししたんです。光栄でしたよ。というエピソードも。
向後さんのヘアメイクアーティストとしてのキャリアを飾る思い出深い一本となっているようだ。
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