「信頼できる人間」として手に入れたオンリーワンの一本

メンズファッションにおけるヘアメイクアーティストのなかでもベテランに属する向後さん。本誌の創刊時よりさまざまな企画でその実力を振い続けてきた、浅からぬ関係の御仁でもある。
ヘアメイクの実力に関しては言わずもがなだが、当の本人は「アメカジを原点に、ブラックカルチャーの薫陶を受けた」という個性派スタイルで身を固めており、イカつめのファッションとは裏腹に、親しみやすいキャラクターで兄貴分的な雰囲気も醸している。
「今日のコーディネイトは、OCEANSを意識したんだけど、気づいてもらえました?(笑)」
シャツは本誌の大好物ブランドであるラルフ ローレンのヴィンテージ、そのほかの服は90年代モノで身を固めた。コロナビールのタンクトップに、カーハートのダブルニー、ウエスコのジョブマスターを合わせ、“向後流”とも呼べる唯一無二の雰囲気を醸し出す。
肝心の着用時計は、ブリブリのウォッチケースに収まるロレックス「デイトジャスト」だ。

装いのなかでもとりわけ目を引く時計だが、このウォッチケースは後から付けたもの。まず手に入れたのが、ロレックス「デイトジャスト」Ref.1601だという。
「独立したのが1993年。どこの馬の骨かもわからないような自分が、“プロとして信頼に足る人間だ”ということを表現したくて、高級時計を手にしようと考えました。
ただ、若くてそこまでお金もありませんでしたから、雑誌で知ったジャックロードに行ったんです。
そこで出会った『デイトジャスト』にひと目惚れ。これぞ一生モノといったロレックスの王道デザインは何よりの魅力ですよね。おじいちゃんでも学生でも、たちまち風格が滲み出る。
シャンパンゴールドのダイヤルを選んだのは、大好きなブラックカルチャーからの影響です。今でこそシルバーのウォッチケースに入れていますが、もともとはコンビのジュビリーブレスレットが付いていて、それも格好良かった。
当時からシックというものに興味はないですし、今でも昨今流行りの“クワイエットラグジュアリー”なんて、何それ?って感じですからね(笑)」
かくして若き日の向後青年は、自分に“箔をつける”べくしてロレックスの「デイトジャスト」を入手する。
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