九龍村の住人に話を聞いてみると……
住人は既にほとんどいなくなっていたが、たまたま歩いていた男性にお話を聞いた。20年以上、九龍村で暮らしてきた住人だという。
「大規模火災で自宅は全焼したが、以前から万一に備えて近くに安い家を借りていたため、火災当日はそこへ避難することができた。火災の原因については、放火ではないかという強い噂がある。ただ、実際に見た人はいないので、本当のことは分からない」と話していた。その男性の家は、焼けた場所のすぐ近くにあった。
この男性のように住居を失った元住民は、「勉強部屋」と呼ばれる安い部屋やヨンドゥンポ(永登浦)などのドヤに住んだり、ソウル駅にあるホームレス支援施設に行ったりしたそうだ。

ちなみにスラムとは言っても九龍村にも家賃はある。普通の家賃の5分の1くらいだと聞いたが、ソウルは家賃が高いから、それでもまあまあの額になるだろう。
この男性いわく、現在は村の再開発が進められていて、もともと住んでいた住民は新しく建つアパートに優先的に入居することができる予定だという。ただ、費用をどの程度負担しなければならないのかはまだ決まっていない。高級マンションだった場合、半分を負担するだけでもかなり高額になるだろう。

半年ぶりに九龍村を歩いたが、一気に廃墟化が進んでいた。昔から古くボロい家だし、ゴミが大量に積まれていたり、キムチが漬けられていたり、かなりカオスだったのだが、それでも人が住んでいたから村も生きていた。現在は住む人がいなくなり、3分の2が燃え、村はほとんど死んでいる。
畑や植木鉢に植えられた植物は、手入れされることもなく伸び放題で、建物を覆い尽くしている。昔は奥まで進めた通路も、小さな洪水があったらしく、進めなくなっていた。崩れ落ちそうになっている。

今回の訪問で、「この村はもう本当に終わるんだな」としみじみ思った。何度も通った場所だが、次に来るときには高層マンションになっているはずだ。そしてどこが九龍村だったかも分からなくなっているだろう。
僕が足を運んだ韓国のスラムや置屋街などは、ほとんどがマンションになってしまった。それはそれでもちろん悪いことではないし、自然な変化なんだろうけど、寂しいものである。
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