「セカンドキャリアのリアル」とは……東京を代表する観光地、浅草。ランドマークであり、都内最古の寺でもある浅草寺はいつも観光客で溢れている。
雷門前には人力車の車夫も数多見かけるが、その中には元プロラグビー選手の児玉健太郎さんの姿がある。20年以上ラグビーで体を鍛え、バイタリティに溢れる児玉さんは直感に従ってセカンドキャリアへと踏み切っていた。
【写真15点】「浅草で人力車を引く元ラグビー選手」の詳細写真をチェック 話を聞いたのはこの方!
児玉健太郎●1992年、福岡県出身。元プロラグビー選手。慶應義塾大学を卒業後、2014年にパナソニックに加入。2016年アジアラグビーチャンピオンシップの韓国戦で日本代表初キャップを獲得。レベルズ、神戸製鋼、NECでプレーし、2023年に現役引退。現在は浅草で人力車の車夫を務め、餅屋の開業に向けて準備中。Instagram @asakusa_rickshaw
自身の人生を形成し、すべてを注いだラグビーの存在
小学1年生の頃からラグビーをはじめ、名門の小倉高校、慶應義塾大学、パナソニックと輝かしいキャリアを築いてきた。
「ラグビーは元バレーボール選手だった父の薦めで始めました。練習は地味で痛く、泥臭いことばかりで『辞めたい』と思うときもありましたね。ただ、僕は内申点を取るのが上手かったので、『高校も推薦で入れるならお得だな』と考えたんです。高校時代から日本代表としてプレーするようになり、その頃にはラグビーは自分の人生に欠かせないものだと確信していました」。

ラグビーはタックルやスクラムなど激しくぶつかり合い、消耗の激しいスポーツだが、発祥の地である英国では「紳士のスポーツ」とされ、サッカーに次いで人気がある。
「歯や鼻が折れたり、靭帯を切ったりと、プレー中はタフで野蛮なスポーツだと感じることがあります。しかし同時に、表面的な激しさだけではない奥深さもあると思っています」。

「例えば、サッカーでは相手との接触時に痛がる仕草を見せることがありますが、ラグビーの価値観にはそれがありません。観客席もホームとアウェイで分かれずミックスです。隣に対戦チームのファンがいても揉めることはありませんし、選手同士も試合が終わればあと腐れがない。非常に気持ちのいいスポーツなんです」。

「激しく体をぶつけ合うからこそ、試合にかける情熱や気持ちがパフォーマンスに直結する割合が他の競技よりも大きいと感じます。その情熱やメンタルが最も表れるのが“接点(コンタクト)”の瞬間です。激しくいこうと思っても、土壇場で怖気づいてしまうこともある。それでも前へ踏み出す姿勢に、チームや自分自身への誇りが宿るんです。私は本当に、ラグビーによって自分の人生が形成されたと思っています」。
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