MINIとのコラボは30年来

サー・ポールとMINIとの関係を探ると、30年ほど昔に遡る。1998年に、世界で1800台限定エディションをデザイン。自身で開発したブルーを車体に使用して、人気を博したのだ。
「きっかけは単純な話です。MINIからオファーが来ました(笑)。コンペがあったわけでもない。きっと私が典型的な英国ブランドのデザイナーと思われたからでしょうね。MINIも英国を代表する車ですから」。
そこから、MINIの40周年を祝する一夜限りのコンセプトカーなどもデザイン。以降、度々コラボレーションを発表してきたという、知る人ぞ知る両者の長い歴史があるのだ。
サー・ポール・スミスの思いが込められた独自のエクステリアを備える特別仕様車。インスパイアード・ホワイト、ステイトメント・グレー、ミッドナイト・ブラックの3色展開。ツートーンのボディを筆頭に、サプライジングなディテールを随所に備える。EVモデルはオーダー受付中。ガソリンモデル(3-Door、5-Door、コンバーチブル)は2026年秋デビュー予定。現在プレオーダー受付中。
「今回のコラボレーションで何よりうれしいのは、コンセプトカーではなく、量産品として一般のユーザーにも私のデザインしたMINIを乗っていただけるということ」。
今回のコラボレーションには、ひとしおの思いが募る。
「MINIに敬意を払いつつ、自分らしさを随所に込めました。サプライズも仕込んでありますよ」と、茶目っけたっぷりに語ってくれる。

さまざまな物事に興味を示すサー・ポール・スミスは、これまでも多くのブランドとコラボレーションを実施してきた。そこにたどり着くには、サー・ポールのお眼鏡にかなう必要もあるわけだ。
「コラボレーションに関しては、ありがたいことに多くのオファーをいただきます。重要なのは、一度そのコラボレーションについて想像するということ。どのように実現できそうかを、自分自身でしっかりと考えます」。
そこで、ひとつの基準が作用する。

「結局は、自分らしくいられるかどうか。それが基準です。なかには、私のライフスタイルや人柄、または思想にまったく関係ないようなオファーが来てしまうこともありますから。
かつて、イタリアの自転車ブランド、ピナレロとコラボレーションをしたことがありますが、若い頃自転車のレーサーを目指した私からしたら、断る理由はありませんでした」。
つまり、MINIも同様。自分との深い共通項を感じているからこその、長きにわたるコラボレーションだということだ。
「私は、アートが好きで、実用的なものが好き。MINIからはその両方が感じられます」。
そして、両者とも「時代を超えて、長く愛されているところ」だ。

MINIが長く愛されている理由を伺ったところ、「ユーザーに対して真摯なところ。クオリティとプライスがマッチしているし、控えめなんだけど、クリエイティブ。安っぽさやこれみよがしなところがない」との回答があったが、これこそ、ポール・スミスの美点でもある。
そんなシンパシーを感じ合う両者が生み出したのが、今回のコラボレーション車両ということなのだろう。
3/3