警官に疑われたワケとは?
実は、保険の詐欺をするために、ウソの申告をする日本人が多いそうだ。日本で盗難保険に入っておいて、盗まれたとウソの申告をして保険金を受け取る保険金詐欺だ。保険を受け取るためには、現地の警察にポリスレポート(被害届の受理書)を書いてもらわなければならない。
知り合いのライターは「保険を使うためにカメラを盗まれたことにする」と言っていたし、知り合いの編集者からも「海外でパソコンを壊して保険で新しくする」と聞いたことがある。そういう人たちのせいで、僕は疑われたのかと思うと腹立たしい。

疑いはなくなったが、そこからは僕の警戒心のなさをずいぶん怒られた。
「カバンは前に持たなきゃだめだ! ファスナーが開けられない場合は、ナイフでカバンを切られることもある。カバンは前!! オーケー?」
と何人にも言われる。ポリスレポートを書いてもらうために、しばらく警察署にいることになった。

フィリピンの警察官たちは陽気な人たちが多かった。歌ったり踊ったりしている人もいるし、わいわいしゃべりながらパンを食べている人もいる。署内にあるテレビでは忠臣蔵をモチーフにしたキアヌ・リーブス主演のとんでもハリウッド映画『47RONIN』が流れていて、「日本の映画やってるぞ」と言われ、気恥ずかしい気持ちになった。
そんな警察官も腰にはオーストラリア製の自動拳銃、グロック17が光っている。日本の警察の拳銃のように革のホルスターで全体をカバーしていない。スムーズに銃を取り出せるよう設計されたホルスターに入っている。そして腰の左側には予備の弾倉が2つ刺さっていた。陽気で明るくとも、麻薬戦争で戦う人たちなのだ。
結局、翌日も再び警察署に行かなければならなくなってしまい、旅程の半分以上が警察署になってしまった。
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