海外ではカバンは前! が鉄則
警察に提出する書類を作成してもらうため、1300円ほど払って代行屋にお願いした。そこのお姉さんにもまた、「カバンは前! 日本人ダメ! 油断しすぎ!」と怒られてしまった。

警察で書類を提出して手続きを進める。顔見知りになった警察官が、「日本人かい? ドロボーにあったのか? そこにいるのがドロボーだぞ」と言って僕の正面に座っている太った女性を指さした。
冗談を言っているのかと思ったが、どうやら本当のようだった。女性は言い訳せず、ただ迷惑そうな顔をした。女性は何か仕事でミスったのか右手の中指がなかった。そして警察官は女性の隣に座る小柄な男性を指さした。
「この男は被害者なんだ」。
犯人と被害者を並べて座らせるなんて大丈夫?? と驚いてしまった。ちなみに僕のスリの犯人は捕まっていない。ポリスレポートは間もなく出来上がって、警察からは解放された。

ただ、カード会社に電話してカードを止めたりするのにも時間が取られた。電話料金も高かったと思うが、背に腹は変えられない。結局、保険は適用されたが現金は適応外であった。価値あるものといえば、10年前に買ったルイ・ヴィトンの財布だけ。領収書などはなくなっていたが、購入額の半額が戻ってきた。そして盗まれたポケットWi-Fiも保険で保証された。
これでトラブルは終わり、とはならなかった。せっかくだからと帰国後すぐに記事にして出したのだが、「フィリピンを悪く言うな!」「全部お前が悪い!」といったバッシングコメントがたくさんついてしまった。財布を盗まれた被害者をバッシングする、なかなか優しい世界である。
僕に暴言を吐いた一人ひとりをツイッターやフェイスブックで覗いてみると、ボランティアや留学で海外に行ったものの、うまくいかず帰国してる人が多かった。人生うまくいかないと他人を叩きたくなるよね。分かるよ。
というわけでそれ以来、海外旅行をするときには、「カバンは前に!」を胸に刻んで行動している。
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