防犯カメラで確認すると……巧みな手口

まずはホテルのカウンターで警察署の場所を聞いて、向かう。警察官に事情を説明すると、警察官とともに現場を訪れることになった。バイクに乗った警察官にボディランゲージで、後ろに乗るよう言われる。「ジャパニーズ? オーケー! ゴー!」と言って勢いよく発車した。

乱暴な運転でしばらく走って僕が財布を落としたと思われる場所にたどりついた。警官は路上販売をしていた人などに事情を聞くが、聞かれた側はあからさまに迷惑そうな顔をしている。その後、再びバイクに乗って警察署に移動した。

そして僕の事情聴取が始まったのだが、これがかなり強い口調だった。「本当か? 嘘言ってるんじゃないか?」という感じで詰められる。被害者なのに責められるのは割に合わないが、これにはれっきとした理由があった。それはのちほど解説するとして、現場の対面にあった防犯カメラをチェックすることになった。

モニターには異国をぼけぼけと歩く、僕と同行者が映っていた。途中から、僕の後ろにだけ人だかりができた。その中の数人は日傘をさしている。日傘をさしている人は防犯カメラに映っていない。傘に囲まれて僕の姿は見えなくなった。

「ここで盗まれたんだ。こいつらはスリ集団だ」と警官は言った。
横からの映像を見ていると、なぜ気づかないんだ! と苛立つが、実際まったく気付かなかったのだ。すごい技術である。僕が本当にスリの被害にあったことが分かり、警官の態度は軟化した。
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