
第二次世界大戦下の“制約”が、結果として名作ジーンズを進化させた。
そんな歴史的背景を現代に蘇らせる1本が、リーバイスの復刻ライン「リーバイス ビンテージ クロージング(LVC)」から登場する。
「LVC 1944 501 Jeans」6万6000/リーバイス ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)
今回発表されたのは、「LVC 1944 501 Jeans」。1944年当時、戦時下の物資統制によって大きな仕様変更を余儀なくされた“501”を、サンフランシスコのアーカイブに現存する実物をベースに忠実再現した限定モデルだ。
1940年代、アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、リーバイスのリベット付きジーンズは「必要不可欠な作業服」として生産継続が認められた。一方で、政府による厳しい資材制限の影響を受け、さまざまなディテールが簡素化されていく。

象徴的なのが、ウエスト背面のシンチバックや、股部分・ウォッチポケットの銅製リベットの省略。ブランドロゴ入りボタンも代替品へ変更され、ポケット裏地には米軍作業服用ファブリックなど、その時々で調達可能な素材が使われたという。
しかし興味深いのは、そうした“削ぎ落とし”の時代にありながら、デニム生地自体は従来よりも厚手のヘビーオンス仕様へと進化していた点だ。タフな労働環境に対応するため、501はむしろ耐久性を高めていったのである。

そして、この1944モデル最大の特徴とも言えるのが、バックポケットのアーキュエット・ステッチだ。通常は刺繍で描かれるこのアイコニックなデザインも、戦時下では「不要な装飾」と見なされ、糸の使用が制限された。
そこでリーバイスが採用したのが、“ペンキで描く”という大胆なアイデア。洗濯を重ねれば消えてしまう簡易的な仕様ながら、「501である証」を守ろうとした当時のクラフトマンシップが感じられるディテールとなっている。

今回の復刻では、そうした戦時中ならではの“不均一さ”まで忠実に再現。異なる種類のボタンやスレーキ、ペイント仕様のアーキュエットに加え、裏返しで取り付けられたレッドタブも特徴だ。これは当時、誤って逆向きに縫い付けられたことで生まれた仕様で、表から見ると無地にも見える独特なディテールとなっている。
LVCのデザインディレクター、ポール・オニール氏は、「1944年の501は、物資統制によって無駄を削ぎ落とした結果、現在の5ポケットジーンズへ進化する大きな転機となった」とコメント。今回の復刻では、その時代特有の個体差や空気感まで再現したという。
「LVC 1944 501 Jeans RIGID 1944」は5月27日(水)より、リーバイス公式オンラインストアおよび一部店舗にて抽選販売が行われる。
ヴィンテージ市場でも特別視される“大戦モデル”。その背景にあるストーリーごと体感できる今回の復刻は、単なるアーカイブ再現に留まらない、デニム史を語るうえでも見逃せない1本となりそうだ。
[問い合わせ]リーバイ・ストラウス ジャパン株式会社0120-099-501