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すべての写真を見るインパクトのあるロゴで主張する時代は終わり、改めて引き算の美学が装いの核となった今、選ぶべき時計は「語らずとも伝わる」一本。
時計が服を、服が時計を互いに引き立て合う。そうして、主張と品のあるスタイルは完成する。
「PANERAI」
腕時計SSケース、42㎜幅、自動巻き。132万円/パネライ(オフィチーネ パネライ 0120-18-7110)、ジャケット31万7900円、シャツ24万5300円、パンツ17万4900円/すべてトッズ(トッズ・ジャパン 0120-102-578)
イタリア海軍への精密機器の納品を担い続けたパネライの象徴を、現代的に削ぎ落とした「ルミノール ドゥエ」。ルミノールの力強さはそのままに、より薄く、より軽く進化した一本だ。
中央から光が広がるバーガンディの文字盤は、個性的でありながら道具としての誠実さを併せ持つ。ヴァージンウールのピンストライプを配した端正なセットアップに合わせることで、このカラーダイヤルがモノトーンの装いに静かな熱を灯す。
ストイックな装いのなかで、時計だけが雄弁に主役を張る。それがこのスタイルの狙いだ。
「BVLGARI」
チタンケース、40㎜幅、自動巻き。262万9000円/ブルガリ(ブルガリ・ジャパン 0120-030-142)、ジャケット41万1400円、パンツ41万1400円、ソックス8万4700円、靴22万4400円/すべてロロ・ピアーナ(ロロ・ピアーナ ジャパン 03-5579-5182)
その特徴的な造形ゆえ、合わせる服はプレーンであればあるほどいい。ローマの建築美を宿す「オクト フィニッシモ」は、厚さ5.15mmの薄型ケースに、チタンのシックな質感が知性を漂わせる。
合わせたのは、ユーズド調の風合いを持つデニムジャケットとウール、シルク、リネンを混紡したジャージーパンツ。異素材ながら、装い全体はクリーンにまとまっている。だからこそ時計の個性が際立ち、互いを引き立て合う関係が生まれるのだ。
「OMEGA」
SSケース、38㎜径、自動巻き。91万3000円/オメガ 0570-000087、シャツ29万4800円、ニット24万6400円/ともにゼニア 03-5114-5300
一見シンプル、でも語り始めたら止まらない。それが1957年の鉄道員用時計をルーツとし、2025年に新生した「レイルマスター」だ。
ベージュからブラックへと深まるグラデーションと、スモールセコンドが刻む独特の顔立ちが持ち味。ミニマルでいて、60年を超えるストーリーを内包する一本だ。
これをミリタリーの気配が息づくリネンのシャツジャケットに合わせれば、骨太なルーツを持つ腕元と“実用”という観点で見事に共鳴。その佇まいは、どこまでもモダンだ。
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