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170年かけて培ったものづくり


 
さすが170年続いたブランドだけあって、ものづくりは非の打ちどころがない。
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屋台骨を支えるのはその創業からバルカナイズ製法。チャールズ・グッドイヤーが発明した加硫法をベースとした製法である。完成までに求められる期間は3日。複数のパーツを手作業で木型に貼り込み、金型に入れて加硫し、窯から出して寝かせ、仕上げに防水テストを行う――一つひとつ積み重ねるようにたどり着いたプロセスはいまもって揺るぎない。

木型は20SSにアップデートされた。かかと周りのくびれを強くし、フィット感を高めた。もとより足なりのその木型は高く評価されてきた。かかとからつま先にかけて緩やかに勾配をつけたボトム・シルエットは際立った安定感をもたらす。


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アウトソールはオリジナルのトレッドパターンを描く。悪路にもへこたれないさざ波のようなパターンは1950年代に考案された。

もちろんラバーは天然もの。選りすぐって仕入れたそのラバーは耐滑性、耐摩耗性に優れ、加硫により強度も高まる。環境負荷が抑えられるところも特筆すべき点だ。

真っ赤なロゴには天秤が描かれる。天秤にかけられたのは価格と品質。良心的な価格設定を守りつつ、品質にも妥協しない、というスタンスの表れだ。

英国のユーモアを感じて微笑ましかったのはマスタッシュの誕生秘話だ。つま先の凹凸をハンターではマスタッシュと呼ぶ。いわれてみればなるほど、その凹凸は口ひげを思わせるが、それはじつは意図したものではなく、製造工程上、避けられないものだった。彼らはならばとその凹凸にマスタッシュの名を与え、アイコンにしてしまったのである。マスタッシュはいまやブーツのつま先にとどまらず、ありとあらゆるプロダクトに潜んでいる。
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