
世界初となる、古着だけで構成されたファッションイベント「トウキョウ ヴィンテージ ファッション ウィーク」。その開催初日の様子をレポートしよう。会場で出会った古着ラヴァーたちの、こだわりの着こなしもスナップしたので、早速チェック!
【写真17点】「古着好き10名を、”ヴィンテージイベント”でスナップ!」の詳細を写真でチェック! 会場すべてを古着が埋め尽くす!? ヴィンテージ好きにたまらない空間

3月13日(金)〜15日(日)、東京・新宿住友ビル三角広場にて開催された「トウキョウ ヴィンテージ ファッション ウィーク」。
国内最大級のクリエイティブの祭典「トウキョウ クリエイティブ サロン 2026」の一環として行われた本イベントは、東京独自のファッションとヴィンテージ価値の発信を目的とするもの。
会場には国内外から約100のブースが集結し、マーケットのほか、希少アイテムを出品するオークションも実施された。

さまざまな土地からヴィンテージショップが一堂に会する光景は、古着好きなら胸が高鳴ること間違いなし。
原宿の「ベルベルジン ユウホドウ」や中目黒の「ジャンティーク」といった名店をはじめ、「古着屋ジャム ヴィンテージ&セレクト」や「ウィゴー」など、誰もが知る大型店まで、実に幅広いショップがブースを並べた。

会場中央には大きな櫓が組まれ、上層に古着がずらりと並ぶディスプレイは圧巻のひと言。そして、その櫓の下では……。


今回のファッションウィークの中心を担ったスタイリスト・原田 学さんと、デザイナー・アクティビストのeriさんが手掛けた「レギュラー ヴィンテージ ファッションショー」も開催。ヴィンテージを通じて過去と未来をつなぐ新たな価値観を提示するこのランウェイ。スタイリングはすべて、一般的な古着店で流通する、日常的に親しまれている古着だけで構成されているのが特徴だ。
会場ではファッション関係者はもちろん、一般客もこのスペシャルなショーを楽しんでいた。

そして「トウキョウ ヴィンテージ ファッション ウィーク」の醍醐味は、約100にも上るヴィンテージショップを巡ること。なかにはこうしたイベントに初出店となる古着店も多く、またそれぞれのブースに立つスタッフのスタイリングもユニークで、気合いの入った装いが目を引いた。
ということでここからは、会場で出会った10名のヴィンテージ・ラヴァーのスタイルを見ていこう。
①シンボルカラーのイエローで、個性をブラッシュアップ
すべて古着
原田 学さんまずは「トウキョウ ヴィンテージ ファッション ウィーク」のキーマン、スタイリストの原田 学さんをキャッチ。トレードマークの金髪にマッチするイエローのジャンプスーツは、パラシュート用のパフォーマンスウェアをセレクト。
そこに美しい織りのメキシカンジャケットを羽織り、足元も含めて正統感を演出。華やかなイベントにふさわしいスタイルを見せていた。
②気候とシーンにアジャストした、洒落た”作業着”
ベスト=モンベル スウェット=ラッセルアスレティック パンツ=ディッキーズ シューズ=アディダス オリジナルス キャップ=キャップトウキョウ バッグ=モー バッグストア
イシカワダイキさん(28歳)昨年、東京・松陰神社エリアにオープンした「コンプ ユーズド クロージング」のスタッフ、イシカワさん。名著『チープ・シック』をコンセプトに掲げる同店らしく、レギュラー古着を中心にシンプルなコーデを披露した。
この日はブースの搬入があったため、本人いわく“作業着”。寒い屋外と暖房の効いた会場、そのどちらにも対応できるレイヤードスタイルだが、それがまた春を目前に控えたこの時期らしい着こなしだ。色と網目が可愛らしいバッグも、いいアクセントになっていた。
③ネイティブ×ミリタリーで、男らしくもスマートに
ベスト、ジャケット、シューズ=古着 ニットー=バナナリパブリック デニム=リーバイス
イセヤリュウスケさん(24歳)東京・三軒茶屋の栄通りに構えて8年。日々、夜遅くまで賑わう「スイ ヴィンテージ&ユーズド クロージング」から、スタッフのイセヤさんをキャッチ。リアルファーのヴィンテージベストに、黒染めした1970年代の「M-65」を重ね、貫禄ある印象に。
トップに合わせてボトムにも黒と茶を取り入れることで、まとまりあるカラーリングを実現。色を巧みに操ることで、洗練されたムードも醸していた。こなれ感のあるテクニックは、さすがのひと言!
④1990年代の“アメリカムード”をいい塩梅でミックス
ジャケット=ラルフ ローレン インナー、ニットキャップ=ナイキ パンツ=古着 シューズ=シエラデザインズ
門井大夢さん(23歳)東京・代々木八幡にオープンして11年目を迎えた「ドージョー」は、アメリカ買い付けの日本未発モノから個性的なユーズドまで扱うショップ。そこでスタッフを務める門井さんは、1990年代のラルフ ローレンが大好きとのこと。この日も“90年代ラルフ”を象徴するチェック柄パッチワークのパーカジャケットが存在感を放っていた。
ファッションの参考にしているのは、スタッフ仲間に勧められ、貪るように見ているという90年代のミュージックビデオや映画。たしかにボトムは太めのデニムにマウンテンブーツと、当時のヒップホップやストリートのムードを感じさせる。
⑤自然体な空気感で魅せるロック調スタイル
ベスト=古着 Tシャツ=なるきろ デニム=リーバイス ブーツ=ヒステリックグラマー
平本ジョニーさん「トウキョウ クリエイティブ サロン」の中核を担う、クリエイター、アーティスト、デザイナーなど多岐にわたり活躍するジョニーさんにもお声がけ。多くのファッション人に愛される東京・青山の居酒屋「なるきよ」が展開するアパレルライン、なるきろのカットソーにヴィンテージのレザーベストをさらっと重ねた、ラギッドなスタイルがシンプルでカッコいい。
デニムはリーバイスの「550」、ブーツはヒステリックグラマー。どちらも気取らずラフにはきこなす。自然体で、ジョニーさんらしさが伝わる、実にキャラの立ったスタイルだ。
⑥山とヴィンテージを愛する男のアウトドアルック
フリース=ムーンストーン シャツ=エルエルビーン デニム=古着 シューズ=ラッセルモカシン キャップ=不明 ウエストポーチ=パタゴニア
山口博雅さん(31歳)2015年から静岡市に店を構える「ロッジ」は、60年代後半にアメリカで盛り上がりを見せたバックパッカーブームを背景に、ヴィンテージのアウトドアアイテムを幅広くセレクトするショップ。今回のイベント出店でスタッフとして立っていた山口さんは、長年この店に通い詰めている常連さんだとか。
ヘビーデューティなアウトドアテイストながら、ほんのりクリーンなスタイリングが好印象だ。いい味わいが出ているデニムは、40年代USネイビーの軍放出品だという。作りはユーティリティパンツのようだが、それをデニムで仕立てているとは……珍しい一本だ。
⑦センス光る古着選びで、それぞれのキャラクターを格上げ
左⚫︎パーカ=アークテリクス スウェットシャツ、キャップ=古着 パンツ=アルマーニジーンズ シューズ=クラークス 右⚫︎ニット=古着 パンツ=モンゴメリーワード シューズ=フローシャイム
左⚫︎宮﨑悠太さん(28歳) 右⚫︎山内洋輔さん(30歳)大阪に始まり、今では東京にも数多く店を構える大型店「古着屋ジャム ヴィンテージ&セレクト」から、ふたりのスタッフをキャッチ。宮﨑さんは、アルマーニジーンズのウール製ペインターパンツに、編み込みレザーアッパーが美しいクラークスのチャッカブーツを合わせ、ボトムでクラシックなムードを演出。
一方の山内さんは、ベビーアルパカのヴィンテージニットにダメージデニムをさらっと合わせたスタイル。クセはないが個性を感じさせる、男らしい着こなしが魅力だ。
⑧色と柄の妙で男らしく、そして少しの愛嬌をプラス
デニムジャケット=リーバイス シャツ=ダブルアールエル パンツ=カーハート シューズ=ジェイエムウエストン キャップ=古着
岡部義彦さん(32歳)今回出店したヴィンテージショップの目玉のひとつ「ベルベルジン ユウホドウ」から、岡部さんをスナップ。黒を主体に、ダブルアールエルのシャツの鮮やかな色柄で個性を主張した、精悍で洒落の効いたスタイルだ。リーバイスのデニムジャケットは「70506」の先染めブラック。サイズ50というかなり希少な一着にピンズをこれでもかと付けて、愛嬌も演出している。
カーハートのパンツは、ダブルニー仕様のパーツがカーゴポケットになった珍しいモデル。黒という色も相まって、ラギッドなムードがムンムンと漂う、これまた個性的な一本だ。
⑨挿し色でアクセントをプラスした、2000年代テイスト
パーカ、Tシャツ=ヒステリックグラマー パンツ=ジースター シューズ=ニューバランス
ミカさん(21歳)「ヒステリックグラマー」のブースでは、Z世代を代表するデザイナー、SHUNKIさんとコラボ。ヴィンテージウェアに“ヒス”のアーカイブを組み合わせて再構築した一点ものの販売や、プリントや刺繍などのカスタム体験を楽しめる内容だった。
そんなブースにスタッフとして参加したミカさんは、“ヒス”のトップスにジースターのフレアパンツを合わせ、どこか2000年代ライクなスタイルを披露。「スタイリングに色を重ねることが好き」と、Tシャツのプリントやレイヤードしたパーカでカラーを効かせつつ、足元はニューバランスの「990 v5」でスッキリと落ち着かせていた。
⑩ふたり揃ってさらに映える、フレアシルエットのユニークスタイル
左⚫︎スウェット、シューズ、キャップ=古着 パンツ=テルマ 右⚫︎すべて古着
左⚫︎小島星月さん(27歳) 右⚫︎安藤愛若さん(25歳)東京・青山の「アームズ クロージング ストア」のショップスタッフふたりにもお声がけ。小島さんはこの日、“ラスタマン”を意識して赤をキーカラーに、キャラ立ちを狙った。スウェットにはルクセンブルクの国旗に描かれるライオンが中央にデザインされおり、これを“ラスタファリズム”のシンボルのライオンに見立てたのだとか。フレアシルエットが効いたパンツもユニークだ。
一方、安藤さんは春らしい発色のニットにファーベストをレイヤード。こちらもフレアシルエットのパンツをチョイスし、ふたりで示し合わせたかのように揃えた、この日のテーマだったという。
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ヴィンテージという共通言語を通じて集まった人々の装いは、どれも個性とこだわりに満ちていた。服の歴史を楽しみながら、自分らしいスタイルへと昇華する――そんな古着の面白さを改めて感じさせるイベントだった。