
一方、東京に滞在しているときは時間があれば映画館へ足を運んでいるという。harukaさんにとっては温泉と並ぶFUN-TIMEだ。
「もともと大好きでしたが、映画の音楽を手掛けるようになってからは、より映画館で観たいという思いが強くなりました。作品として普通に映画を楽しむだけでなく、音響の作りや物語の流れなど、作り手の目線でも見ています。
製作に携わらせていただいたことで、いろんなスタッフさんの仕事を多角的に見られるようになり、気になるポイントも変わってきました」。
映画音楽の制作は新たな挑戦。ほかの音楽活動に影響を与えることはあるのだろうか。
「やはりありますね。作り方はもちろんですが、作業にかかる時間もまったく違いますから。僕個人の仕事なら作品の完成は自分で判断できますが、映画音楽はみんなで作り上げるものですから。映像にコンマ何秒で合わせていく作業や、キャラクターのセリフとどこまでリンクしているかなど、細かな部分を正確にやらないといけない。
僕は劇伴音楽をやらせていただいたり、自分で自由に音楽アルバムを作ったり、どちらもしているのですが、劇伴音楽の場合は映画とコラボレーションをさせていただいているような気持ちなので刺激的ですし、楽しくやらせていただいています」。
話題がこれからのことへと及んだとき、彼はこんな言葉を残してくれた。
haruka nakamuraさんのFUN-TIME
「音楽とずっと旅をしていけたら幸せですね。物理的に場所を移動するということも含めて、音楽が常にそばにいて、仲良くやっていけたらいろんな新しいものが見えたり、生まれると思うんです。
これからも音楽というものに対し、自由に楽しく向き合っていけたらいいですね」。
「あと、そうだ。やりたいことがあるんです」とひと言。FUN-TIMEの卵でもあり、作品の卵について語ってくれた。
「ご縁があって、とある方からテレキャスターを譲り受けたんです。エレキギターは昔弾いていたのですが、最近はあまり触っていなかったので久々に弾いてみようかと。
小さい頃はピアノ、その後エレキギターやサンプラー、そして今はまたピアノに戻っていますが、僕は使用する楽器によって音楽が大きく変わる。エレキギターをもう一度弾くことで、これまでと違った音楽が生まれるはず。今はそれが楽しみなんです」。
haruka nakamura●青森県出身。2008年に1stアルバム『grace』を発表。近年はピアノアルバム『スティルライフ』や劇場アニメ『ルックバック』の主題歌・音楽を手掛けるなど活動の幅を広げている。harukanakamura.com
OCEANS4月「Shopping Manual」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!