背負うものが、人を強くする

壮大な群像と濃密な人間描写で読み継がれてきた北方謙三の大河小説『水滸伝』。
累計1160万部を超える大河小説の金字塔が、連続ドラマとして現在放送・配信中だ。織田裕二、反町隆史、亀梨和也ら豪華キャストが集結。腐敗した世に抗う“はみ出し者”たちの叛逆と絆の物語を日本ドラマ史上でも屈指のスケールで描き出している。楊志役が決まったときの心境を尋ねると、満島さんは静かに言葉を選んだ。
「まず、北方謙三さんの『水滸伝』が実写化されること自体に驚きました。楊志は物語前半の核を担う人物ですし、原作ファンの方にとっても生き方ごと印象に残る存在。率直に“大役をいただいたな”と感じました」。
楊志という人物の魅力は、現代にも通じる“背負う感覚”にあるという。

「家柄や血筋、受け継がれるもの。今は薄れてきているとはいえ、人はどこかで背景を背負って生きていますよね。その重さに葛藤しながらも、生きる力にもなる。楊志はそういう人間だなと。
若松節朗監督とは、背負うものとしての“父性”を楊志の核にしたいよね、と話していました。最初は岩のように硬く、どんな水も吸わない人間が、愛に触れて少しずつ柔らかくなっていく。その変化を丁寧に積み重ねたいと思ったんです」。

そして最後に、楊志という人物の核心をこう言葉にした。
「何のために戦い、生きているのか。楊志はそういう“生きる意味”を模索している人物だと思います。時代が違っても、人が人として生きるうえで大切なものは変わらない。楊志を演じながら、守るべきものは何か、自分は何に向かって生きているのかを改めて考えさせられました」。
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