
散々食べて飲んだはずなのに、帰り道でふと襲ってくる「ラーメン欲」。深夜の炭水化物と脂質の背徳感はたまらないが、翌朝の「後悔」もまたセットだということは、痛いほど分かっている。
なぜ、締めのラーメンをこれほど欲するのか? そして、その代償は我々の体にどれほどのダメージを与えるのか?
肝臓専門医の浅部伸一先生に、そのメカニズムと医学的に正しい締めの作法を聞いた。
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浅部伸一●1965年、大阪府生まれ。医学博士、肝臓専門医、消化器病専門医。東京大学医学部卒業後、東京大学附属病院、虎の門病院に勤務。国立がんセンター研究所などを経て、アメリカ・サンディエゴのスクリプス研究所に留学。現在は自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科非常勤講師、アシュラスメディカ株式会社所属。自身も大の酒好き。
アルコールによって理性の働きが低下
締めのラーメンを欲する主な原因として、アルコールによる脳機能の低下、つまり「理性の崩壊」にあると浅部先生は分析する。
「普段なら『太るからやめよう』と大脳皮質(理性を司る部分)がブレーキをかけますが、アルコールが入るとこの理性の働きが低下します。すると、本能的な欲求を抑える力が弱まり、『食べたい!』という欲望がストレートに出てしまうのです」。

これに拍車をかけるのが、報酬系と呼ばれる脳の神経回路だ。
「ラーメンに含まれる脂肪や旨味は、脳に強い幸福感を与えます。いわゆるドーパミンが出る状態です。人間は進化の過程で『食べると幸せになる』ようにプログラムされていますが、特に現代人は『飲んだ後のラーメンは美味い』という経験を学習してしまっている。
脳がその快感を覚えていて、アルコールが入ると自動的にそのスイッチが入ってしまうのです」。
おにぎりやパンではなく、ラーメンを選んでしまうのは、この報酬系が関係しているのだ。
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