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今の気分は“超ワイド”。あえて絞って穿くリーバイスの面白さ

その後、TFの前身である「toff」へ。バイヤーとして数多の良品に触れてきた今も、リーバイスとの適度な距離感や選びのスタンスは変わらない。だからこそ、その目線はいつだって柔軟だ。
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「ジーンズは好きですが、マニアではありません。お気に入りのパンツのラインナップに、リーバイスも同列で並んでいる感覚ですね。ただここ数年、業界で『特大サイズを絞って穿く』というスタイルをよく耳にするようになって。試しにやってみたら、これがまんまとハマりました(笑)」。


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最近の相棒は、40インチの「501」と44インチの「505」。501は半年ほど前、横浜・元町の古着店「バタービンテージ」で手に入れたものだ。




「これはウエストがかなりゆったりな501ですが、レングスは30。縮んで今は28ぐらいですかね。半信半疑で穿いてみましたけど今の気分にしっくりくる。

多分、今も探せば普通に売っていると思うので需要は高くないんでしょうね。タグを見る限り作られたのは2000年頃なのでそんなに古いものでもない。『501、愛してます!』みたいな人からすると、なぜ? と思うかもしれません」。

一方、今回鈴木さんが着用しているのは4年ほど前にネットで購入した44インチの「505」。当時はまだ相場も安かったという。




「505はもともと興味がなかったのですが、デザイナーの方々がサンプリングしている話をよく聞いていたので、一度穿いてみようと。44インチともなるとベルトで相当絞る必要がありますが、そうすることでワイドともストレートともつかない独特のニュアンスが生まれるんです。イージーパンツのようなバランスで、あえてデカく穿く。これが今の自分の気分なんです」。

スタジャン/アワサ、ニット/ヨネトミ繊維、シャツ/アワサ、シューズ/メレル

スタジャン、シャツ=ともにアワサ ニット=ヨネトミ繊維 デニム=リーバイス シューズ=メレル


「おそらく、今の主流とは少し違う穿き方かもしれません。505は本来、ほんのりテーパードが利いたシルエット。だからこそ“ジャストできれいに穿く”のが定石とされています。でも、僕の場合はイージーパンツを穿くようなルーズなバランス。そうでなければこの極太のシルエットは出せませんし、何より今の自分にしっくりこないんですよね」。



感性に加え、目指すスタイルも他の大人とは一線を画す。

「1LDKにいた頃から根本は変わりません。一目で『アパレルの人だ』と分かるオシャレも素敵ですが、僕は『格好良いのか、それとも格好悪いのかよく分からないな』と言われるくらいが好き。上野の飲み屋さんにいるおじさんが、なぜか無性に格好良く見える……あの感覚に近いかもしれません。

ただ、歳を重ねた分、一歩間違えると本当にただのおじさんに見えてしまうので、そこだけは気をつけています(笑)」。


王道の501をジャストで穿く美学もあれば、高騰するヴィンテージを愛でる楽しみもある。けれど、そこに固執するあまり、サイズの異なる一本やレギュラー古着の可能性を見過ごすのはもったいない。鈴木さんの視点は、自由なデニム選びの楽しさを改めて教えてくれる。

佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文

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