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“あえて”のレギュラー。独自の審美眼で見出した価値

アダムキメル、フランクリーダー、コズミックワンダー、ヤエカ、アンユーズド……。当時の「1LDK」は、実力と独自の世界観を持つブランドをセレクトすることで知られていた。そこで服の背景やデザイナーの意図を学びながら、知識を吸収していった。それとともに鈴木さんのリーバイス選びも進化していく。
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「今でこそヴィンテージをソースにしたブランドは珍しくありませんが、当時はまだ少数派。だからこそ、古着をベースに再構築されたアンユーズドのクリエイションには、目を見張るものがありました」。

販売スタッフとして、その服がどんな背景で生まれたのかを知ることは不可欠だ。鈴木さんは、ブランドが提示する“元ネタ”を学んでは古着店へ足を運ぶ日々を送った。
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「知識を得ては実物を見に行き、高額で買えないものは見て学ぶ。そんなふうに“眼”を養っていました。当時もリーバイスは穿いていましたが、選んでいたのは高額なヴィンテージではなく、あくまで“レギュラー古着”。単に予算の問題もありましたが、それ以上に、自分の中でヴィンテージに固執する必要性をそこまで感じていなかったんですよね」。



「周りからは『ヴィンテージも持っておくべき』と言われましたが、内心は『別にレギュラーで良くない?』と(笑)。気楽に穿きたいし、何より当時はまだレギュラーを穿いている人が少なかった。その“ズレ”が面白かったんです」。

鈴木さんは自身の感覚に忠実だった。その後押しとなったのはリースのために店舗を訪れるスタイリストたちだ。



「彼らから『なに穿いてるの?』と聞かれることが多くて、そのとき『レギュラーの501です』と応えると、『いいね』『やるね』とか言ってもらえて。それが若い頃はうれしかったんですよね」。

ヴィンテージブームをリアルに体験してこなかったがゆえに、ヴィンテージを「資料」として冷静に捉える。その視点も、バイヤーとしての今の礎になっている。



「結局、穿いていくうちにボタンフライが面倒だなとか思っちゃう(笑)。そうなると、ヴィンテージの501よりジップ仕様のレギュラー502や501Z XXの方が、僕の中でのプライオリティは高くなる。古着的な価値はなくても『俺が見つけてやったぜ』というイレギュラーな一本に惹かれていましたね」。
3/3

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