OCEANS

SHARE

トレンド② “足し算“型ラーメンの増加「創作麺 ひとすじ」

~「微濁」が指し示す、素材の「足し算」の痕跡! うま味の重奏に無条件降伏~ 

advertisement

2025年のラーメンシーンの方向性は、2月1日に開業した「創作麺 ひとすじ」によって、早々にその輪郭が示されたと言っても過言ではない。

ここ数年、具体的には2023年1月に誕生した「桜上水 船越」以降、「清湯」でも「白湯」でもない、独特の「微濁」スープを提供する店が増えつつあった。この傾向は、都内のラーメン愛好者であれば何となく感じ取っていたのではないかと思われる。

その抽象的な潮流を具体的かつ明確に示したのが、「創作麺 ひとすじ」の「中華そば」だ。スープは淡麗な清湯でも濃厚な白湯でもない。微かに透き通るスープの裡から「三河屋製麺」製の中細麺が泳ぐ姿が見え隠れし、正真正銘の「微濁」を体現している。
advertisement



丸鶏や手羽先、豚の背ガラなどの動物系素材を丁寧に炊き上げた出汁に、節・煮干し・昆布などの魚介出汁を絶妙なバランスで重ねる。その際、動物系の比重をわずかに高め、舌上で弾力的に広がる食味を生み出す仕掛けが施されており、魚介主体の微濁スープとの差別化に大きく寄与している。



この1杯は、動物系だけでも魚介系だけでも成立しない。幾種類もの素材の個性を積み重ねる「足し算」の妙が肝だ。素材の魅力を一つひとつ丁寧に味蕾へと届ける店主の技量は、熟練の食べ手でさえも思わず感服するほど突き抜けている。

さらに特筆すべきは、行列に並ぶ段階から接客が行き届き、訪問者をしっかりと迎え入れている点。味の完成度、気配りが行き届いた接客ともに非の打ち所なし。これから開業する新店が範とすべき優良店だ。
創作麺 ひとすじ
住所: 東京都杉並区方南町2-18-6
営業: 11:00〜14:30
定休: 不定休
X:@ramen_hitosuji


トレンド③ 動物系ラーメンの復権「ラーメン GINZA TON BOX」

~「TRY」殿堂店「トイ・ボックス」の山上氏が描き出す!「豚骨清湯」の魅力の粋~


「動物系ラーメンの復権」と言えば、2525年10月7日にオープンした「ラーメン GINZA TON BOX」を外すわけにはいかないだろう。

屋号の「TON BOX」からピンとくる方もいるかもしれないが、同店は三ノ輪の名店「ラーメン屋 トイ・ボックス」の店主・山上氏が監修した1杯を提供する新店。

店舗は銀座6丁目、銀座駅からほど近い一等地に位置する。アクセスの良さと気軽さを兼ね備えたロケーションで、殿堂入り店主が紡ぎ出す味を手軽に堪能できるのは大きな魅力だ。



現在、同店では「醤油ラーメン」「塩ラーメン」、及びそのバリエーションを提供。開業当初は「醤油」のみだったが、試行錯誤を経て最近、「塩ラーメン」も加わった。

通常であれば推奨メニューを1品へと絞り込むところだが、同店の「醤油」と「塩」は、いずれも甲乙つけがたい完成度。麺量もそれほど多くはないので、可能であれば2杯を連食して違いを楽しむのもお薦めだ。



「醤油ラーメン」は、華やぎと落ち着きを兼ね備えた豚の風味が舌上で緩やかに広がり、カエシの余韻が舌上で長く滞留。香ばしい醤油の香気と、動物系のうま味が口の中で絶妙に溶け合い、箸を進めるにつれて味覚の層が増していく。スープの主役を「トイ・ボックス」の鶏から豚に交替させても、描き出す輪郭は微塵も崩れない。レンゲを取る手が止まらなくなるのは必定だ。


後発の「塩ラーメン」も負けてはいない。大国柱のように聳え立つ豚に塩ダレの可憐な滋味が睦まじく寄り添い、口内で拡散する香味粒子の在処まで看取できる。クリアでありながら深みのある「豚骨塩清湯」として、完成度は比類なきレベルへと到達。

ただ美味いだけでなく豚という素材の可能性を最大限引き出すためのギミックが施され、ギミックの随所に山上氏らしさが垣間見える点も大きな魅力。銀座に立ち寄った際には、ぜひ体験してほしい1杯だ。
ラーメン GINZA TON BOX
住所: 東京都中央区銀座6-3-5 1F
営業: 11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~22:00(L.O.21:30)
定休: 不定休
Instagram:@ラーメン GINZA TON BOX 

※メニューの価格は訪問時のものになります。

田中一明=写真・文 池田裕美=編集

SHARE

advertisement

次の記事を読み込んでいます。