鉄のフライパンと本格中華鍋
「古臭いものが好き」と話す村田さんが見せてくれたギアは、アンティーク感を漂わせるものばかり。次に紹介してくれたのは鉄のフライパンと、キャンプには似つかわしくない中華鍋だ。

兵庫県にある鍬製造元「安隨製作所」のmillioコンパクトフライパン17cm。
「このコンパクトフライパンは、めっちゃいいですよ。4年前に購入してから、キャンプには必ず持っていってます。鍛治職人が一つひとつ手で作っている鉄のフライパンで、打ち付けた目をあえて残してるので食材がくっつきにくい。焦げにくいので助かります。
蓋もコンパクトにしまえるし、持ち手を広げればお皿としても使えるんです。職人の技術と工夫が詰まっていますよね。専用の革ケースも格好良いし、めっちゃ気に入ってます」。

ここで村田さんがおもむろに取り出したのは、キャンプには嵩張りそうな中華鍋。慣れた手つきで鍋を振る姿を見せた。
「実は僕の親父が中華料理のコックをやってたんですよ。四川飯店・陳 建民さんの弟子のひとり。小さい頃からよく食べていたんで、やっぱり中華が好きですね。この鍋は家でもキャンプでも使ってます。
僕は“山中華”って言ってるんですけど、食材の簡単な下処理だけしていけば、キャンプでも簡単に本格中華が作れる。焚き火の火力が中華によくて、麻婆豆腐、チャーハン、酢豚とかいろいろ作っています」。
燕三条「山田鉱業所」による中華鍋三種の神器。日本で唯一「打出し製法」で鉄フライパン・中華鍋を作っている由緒正しきメーカーだ。
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