燕三条の職人が手掛けた、世界に一つの内装

スライドドアを開けると、そこには驚きの空間が広がっていた。
木材をふんだんに使ったキャビネット、美しく整列した収納棚。車内というよりは小さなログハウスのようだ。
「内装は、新潟県の燕三条にある『カトーモーター(katomotor)』さんにお願いしました。キャンピングカーのカスタムではお馴染みの老舗なんですけど、雛形から選ぶんじゃなくて、1からレイアウトを決めさせてくれるんです。
スケルトンの状態から『仮家具』といって板を実際にペタペタ貼ってくれて、完成はこうなりますよって見せてくれる。さすが、職人の町・燕三条ですよね」。


寒冷地の新潟を拠点にするだけあって、断熱へのこだわりも一流だという。
「天井にも壁にもしっかり断熱材が入っています。あとエンジンを切っても温風が出る『FFヒーター』も装備してるので、1日くらいならエンジンなしで暖かいですよ」。


暖房の他にも冷蔵庫やシンクが完備され、村田さんのハイエースはまさに「動く家」だ。なのに、ぜんぜん満足していないという。
「職人さんに言われたんですよ。『3年乗ったら、絶対に変えたいところが出てくるぞ』って。本当にそのとおりでした。
今は変えたいところがめちゃくちゃあります(笑)。
例えば、シンクの水回り。最初は便利だと思ってたけど、実際にキャンプに行くと水場で済ますことがほとんど。冷蔵庫の位置も、奥にあるから靴を脱がなきゃいけない不便さがあるし。
あと、この対面式のソファね。これでお酒を飲んだら最高だと思ったんですけど、結局使わないんですよ。木材の色もラグジュアリーすぎて、もっと武骨な雰囲気がよかったです」。


「痒いところに手が届く」ように作ったはずが、使ってみて初めてわかる“痒いところ”。次々に不満が噴出するが、それこそがカスタムする面白さのようだ。
「納車されたときはあんなに感動したのに、カトーモーターさんの言う通りでしたね。近々、内装をいちから変えようと思っています。次はもっと武骨な感じにする予定。ようやく、自分の理想に近づけると思います」。
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