チョコプラ長田の存在感とハライチ岩井の影響

そして、向井さんが密かに抱いている“ある希望”もこの車には乗せられている。
前述したチョコレートプラネット長田さんとのYouTube番組は、「向井くんと過ごす時間を増やしたい」という長田さんのラブコールから始まったもの。2人は言わずと知れた“無二の相棒”で、プライベートでも一緒に過ごす時間が多いという。
ラジオを聞きながらしか寝られないという向井さん。車内でよく聴くのは『オードリーのオールナイトニッポン』と『マユリカのうなげろりん!!』。
「この年齢まで車を買わなかったのは、オフの日にどこへ行くにも長田くんが乗せてくれるからです。でも、彼と一緒にやっているYouTube番組で、いろいろな宿泊施設を訪れるうちに思ったんですよ。“車を持っていたら、こんなスケベな場所に女性と行けるのか……”って(笑)」。
周囲の結婚ラッシュも向井さんの下心に拍車をかける。

「友だちのハライチ・岩井君も結婚しましたし、気づくと『あれ? みんな結婚していくな』って。僕の生活は行動範囲がだいたい決まっていて、やることも固定化しています。もし車があれば、行動範囲も自分の可能性も広げられるかもしれない。そういう思いがありました。いまはまだ誰かを乗せるのは不安なので、おいおいそうなればいいですね」。
子どもが歩けるようになる感動に近い

若い頃、お金がなく道で拾ったジャージを着ていたという向井さんが、いまや600万円のレクサスを一括購入できるようになった。車は地位や成功の象徴でもあるけれど、物欲のない向井さんを満たしているのは、少し違う喜び。それは、自分の新しい可能性に出会うことだ。
慣れない手つきでトランクを開けた向井さん。「今日、初めて開けました(笑)。キャンプもしないし、ゴルフもやらないので。僕はこれから、ここに何を乗せるようになるんでしょうね」。
「車を買ってから1人の行動範囲はだいぶ広くなりました。すごく楽しいです。なんか、初めてしゃべれるようになった瞬間とか、歩けるようになったタイミングに近いかも。もちろん、その時の記憶があるわけじゃないですけど、同じような感動があります。
仕事でさいたまスーパーアリーナまで運転したときは、こんな遠くまで自分の力で来れたんだ!っていう覚醒感がありました」。

取材後の10月末に放送されたラジオでは、熱海まで運転したことを報告していた。高速の合流に成功し、海老名のサービスエリアに着いたときは「泣きそうになった」とも語っている。
レクサスという車に通じるように、向井さんもまた堅実なタイプ。着々と行動範囲を広げ、夢の宿泊施設に向けて羽ばたいているようだ。