クラシックでありながら、タイムレスな魅力を放つトラッカージャケット。リサイクルコットンを使用し、スリムフィットに仕上げるなどモダンに昇華している。「中に着たタートルニットと合わせて、優美でエネルギッシュな色みが映えます」。ジャケット、ニットともに参考商品/ガブリエラ ハースト(ガブリエラ ハースト ジャパン 03-6807-5077)、ピアス9万200円/ソフィー ブハイ(エスケーパーズ アナザーワールド 080-7508-9967)
美しい、華やか、知的……。これらは北川さんのパブリックイメージだが、新作映画『ナイトフラワー』で見せる姿はむしろ真逆。
自身が演じる永島夏希は、ふたりの子供を抱える母親。昼はパート、夜はスナックなどで働きギリギリの生活を送る。ほぼノーメイクで髪を振り乱しながら時に大声で泣きわめき、時に憤怒の叫び声を上げるなど、過酷な状況下での母親としての覚悟と葛藤が垣間見える。
「孤独で頼れる人もいない、子供のために懸命に生きて幸せな家庭を築きたいと思って普通に暮らしているだけなのに、最終的には違法薬物の売人になってしまう。
子供のためとはいえ罪を犯していいものか、もし自分だったらどうしていただろうかと、撮影の最中はモヤモヤしながら自問していました。答えはいまだに出せずにいます」。
そんな夏希にとって唯一の希望だったのが、格闘家の芳井多摩恵(森田望智)の存在。撮影中の北川さんにとっても心強かったそう。
「夏希にとって多摩恵はパートナーであり伴侶でもあり、親友でもあり、一緒に子育てをする親でもあって。いろんな役割を彼女が全部引き受けてくれたことで、初めて人並みの幸せが得られたのかなって。
実際に夏希自身、薬物を売っていてもバディを得た心強さもあったりして、後半は演じていて楽しかったです」。
苦難に立ち向かい遮二無二生きる夏希の姿は、行いの善し悪しはさておき惹きつけられるものがある。造形美ではない、魂の美しさ。
「つらい仕事でも“愛する子供のため”という目的を持って、自ら選んだことに没頭している姿は、生き生きして見えるものなのかもしれませんね。
劇中、夏希は若い頃に買ったであろうMA-1を着ているのですが、それを夏希が大事に着ていて、そういう彼女なりのこだわりから、人としての美しさが滲み出ているというか」。
大事なものを使い続けるという意味では、北川さんと重なる。「確かにそうですね」と言うと、左手首の愛機に触れながら。
「私、時計はシチズンと決めているんです。契約をさせてもらっているということもありますが、純粋に好きなんですよね。性能も高いですし、シンプルで飾らないデザインは何にでも合う。
どれだけ他の時計が流行ろうが、私はこの時計を使い続けます。そこは夏希と一緒かも」。
時代や周囲に流されず、自分の価値観を愚直に貫く。女優・北川景子は美しく華やかで、知的。加えて、今回判明したのは超いい人であるということ。そして何より、誰よりもロックなのだ。
北川景子●1986年生まれ。2003年に「ミスSEVENTEEN」でモデルデビュー。同年にテレビドラマ「美少女戦士セーラームーン」で俳優としても初出演を果たす。その後、ドラマや映画など多くの作品に出演。現在はNHK連続テレビ小説「ばけばけ」に出演中。11月28日(金)に主演作となる映画『ナイトフラワー』が公開予定。
OCEANS 12月「 What's Luxury? 本物だけが欲しいのだ!」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!