ジャケット5万7200円/バブアー(バブアー パートナーズ ジャパン 03-6380-9170)、その他私物
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すべての写真を見る「長年使ってボロボロになっていようが、自分が好きならそれでいい。他人の目とか気にしない。そうやって自分らしさを貫く気概こそが贅沢といいますか、尊いものだと思います」。
OCEANS12月号の特集テーマはラグジュアリー。我々の定義では、金額換算できない職人の技術や歴史に裏打ちされた内面的な美徳や特別な時間などに価値を見いだすことだが、これについて訊くと北川さんは、てらいもなく語る。
どの質問にも真摯に向き合い、自身の考えを咀嚼しながらわかりやすく、時にユーモラスに。テレビのインタビューなどから“いい人そう”と感じる読者は多いと思うが、実際に会うと本当にそのままのいい人。
ぴんっと伸びた背すじと、美しく澄んだ言葉遣いに惹きつけられる。
「去年ニットが欲しくてスタイリストさんに相談したら、ブルネロクチネリをすすめてもらいました。普通のシンプルなネイビーのニットなのですが、価格を見たらあまりに高額だったので躊躇したんです。
でも信じられないくらい肌触りが滑らかだったので思い切って買いました。結局毎日のように着ているんですよね。
何を合わせても品良く見えるし、とにかく着心地が抜群で」。
ブルネロクチネリは、自社工房のあるソロメオ村の活性化のため、またそこで働く職人が誇りを持って暮らせる環境と賃金を得るために、少量でもいいものを作るという哲学を持っている。
その旨を補足すると、大きな目をまん丸くしながら「そういう理念を聞くと、より贅沢なものだなと思いますし愛着が湧きますね」。
パートナーとの価値観の共有もラグジュアリーな要素のひとつ。お互いに嗜好が似ていたせいか、意識して合わせるようなことはなかったそう。
「ファッションではライダーズなどロックな感じが好き。サイズが全然違うので物理的な共有はできませんが、趣味の価値観は共有できていますし、常にアップデートされています」。
時間の共有も、北川さんにとってはラグジュアリーなひとときだ。
「夜、夫婦揃って家にいることが週に1〜2度しかないので、その時間は特に大事にしています。21時頃に子供たちが寝たあと、それぞれが好きなお茶とスイーツを準備して気になっていたドラマや映画を一緒に観ます。
お互いに子育ても仕事も大変ですが、このひとときがあると思うと頑張れます」。
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