
ミーハーというより、好奇心旺盛。ナノ・ユニバースのメンズセクション長を務める和田 純さんは、特定のジャンルに縛られず、自分の「好き」に忠実にアイテムを手にしてきた。
あらゆるカルチャーが台頭していた90年代に青春時代を過ごし、そこで育まれた偏見のない目線は、今の仕事にも存分に活かされている。そんな彼でも、ワードローブには常にリーバイスのジーンズがあった。
【写真20点】「“ナノ”のセクション長が10年以上愛用するリーバイスデニム」の詳細を写真でチェック 紹介してくれたのは……
和田 純(わだ・じゅん)●イギリスのファッションブランドでの勤務を経て、ナノ・ユニバースへ転職。売り場の最前線でシーンの動向を感じてきた経験は、MDとしてマルチに活躍する今に活かされている。日常に寄り添うオリジナルアイテムやコラボレーション企画の多くは、世代を問わず高い支持を獲得している。
アメリカから一転イギリスへ。そこで気づいたリーバイスの万能さ
憧れの存在の影響を受け、特定のジャンルに傾倒するケースは少なくない。和田さんも例に漏れず、身近な先輩の影響からアメリカ古着に親しんできた。20代に差し掛かる頃、服好きが高じてショップスタッフになるが、働く場所として選んだのは意外な場所だった。

「それまでアメリカンウェアが大半で、ヨーロッパ服にはあまり触れてきませんでした。音楽などを主に、UKカルチャー全般に興味を持ち始めたこともあり、自分自身が好きなファッションという分野でも熱心になったと記憶しています。
クロケット&ジョーンズやトリッカーズなどの英国靴を手に取り始め、スーチングスタイルにも興味を持ちました。それで、イギリスのファッションブランドのお店で働いてみようと考えたんです」。

その経験は、ファッションに対する視野を大きく広げた、と和田さんは微笑む。
「アメカジ中心に育った自分にとって、“キレカジ”のようなファッションは新鮮に映りました。テーラードジャケットをきちんと着たこともありませんでしたから。
特に働く前、そのお店へスーツを買いに行った際、店員さんがテーラードジャケットにデニムを合わせていたのを見て驚きました。セットアップではないジャケットスタイルの幅を知り、ファッションの面白さの一端を垣間見た気がしたんです」。
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