“本物”の良さを再確認させてくれたヴィンテージ
20代半ばでイタリアへ渡り、帰国後28歳で自身のショップ「ベルーリア」を立ち上げた山越さん。ブランドのセレクトで重視したのは、アイテムが「本物」であること、そしてブランド側が「モノ作りに本気」であることだ。

海外在住の90年代後半は、ヘルムートラングやメゾン・マルタン・マルジェラなどヨーロッパブランドが面白いコレクションを発表していた時代。
「帰国してお店をやるなら、実力派が台頭してきた日本のブランドをセレクトしたいと思っていました」。


そのチョイスは私物にも一貫しており、日本を代表するアクセブランド「市松」などを愛用する。しかし、そんな上質なワードローブにも、必ずリーバイスは並ぶ。

「以前は、どこかアメカジは野暮ったいという風潮もありました。しかし今は、多くのブランドが試行錯誤を繰り返し、『やっぱり本物がいいよね』という流れに回帰している。安心感と、本質を突いた王道の良さが再確認されているんです。となれば、リーバイスは欠かせません」。
その本質をより深く教えてくれるのがヴィンテージリーバイスだと山越さんは語る。出張先では、必ずその土地の古着店を回るのがルーティンだ。

「この一本はベルベルジンの藤原さんから購入した501XX。名古屋の名店・クロウトさんが店頭に出す前に即買いしたものもあれば、5、6年前に新潟のマッシュルームさんで手に入れたものもあります。古いから、稀少だからと選んでいるわけではないんですよ。自分が穿いてみてサマになるかが判断基準。それに稀少性が乗っかれば、なお良し。やっぱり、掘り出し物を見つける楽しさはたまりませんね」。
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