豊かな海を目指して、漁師らが法律改正働きかけ
「いま海がどうなっているのかを伝えるのは、毎日海を見ている漁師の役割でもある。」(戎本さん)。
「魚が減ったと感じ、海がきれいになりすぎたのではないかと考え始めました」。
最後に登壇したのは、年間100種類を超える魚を水揚げする漁師たち230人を束ねる戎本裕明さん。明石浦漁業協同組合長を16年務める海の目利きでもある。戎本さんは、高度経済成長期に公害対策として設けた規制が年月を経て海の栄養が減りすぎる結果を招いたと指摘する。
「私たちが稚魚を放流しても、魚は育ちませんでした。海苔の色落ちも戻らない。これは海の力が弱っている証拠です。国をあげて海をきれいにしようとした結果、窒素やリンといった栄養塩類が不足しているのではと私たちは考えました」。

透明感を感じる明石だこはふわふわのフリットに。
豊かな海への視点も含めてもらうため議員へのロビー活動も行い、「瀬戸内海環境保全特別措置法」改正を実現させた戎本さんたち。2022年には全国初となる栄養塩類管理計画を兵庫県が策定することになる。
また同時に、明石浦では、魚に傷をつけない伝統技「明石浦〆」や、海水かけ流しプールでの管理、脂質や鮮度を科学的に測定する取り組みを導入。「魚を獲らずに価値を高める」戦略に成功し、2024年度には好調の海苔養殖と合わせて取扱高47億円を超えた。
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