Forbes JAPAN賞｜レンゴー株式会社

環境負荷低減を素材の根本から追求してきたレンゴーがForbes JAPAN賞を受賞。リサイクル資源や生分解性素材の採用など、素材づくりそのものを見直す取り組みが評価された。

特に注目されているのが生分解性のセルロース製品である。化粧品原料として使われ、海に流出しても水や二酸化炭素に分解され自然に還るという特徴を持つ。さらに、魚の配送で使われる発泡スチロールの段ボール代替など、実務的な現場改善にも踏み込んでいる。

レンゴー株式会社　化学品・セルロース商品開発本部副本部長 杉山 公寿さん

表彰台に立った同社の杉山 公寿さんは、「皆さんが例えばふるさと納税などで魚を受け取るとき、『あ、これは環境に配慮されたパッケージだな』と言ってもらえる日が来たらうれしいです」と心境を語った。

OCEANS賞｜株式会社北三陸ファクトリー

株式会社北三陸ファクトリー　代表取締役副社長 眞下 美紀子さん

OCEANS賞を受賞した北三陸ファクトリーは、ウニの再生養殖と藻場回復という挑戦で知られる。磯焼けによる藻場消失やウニの過剰繁殖に対し、再養殖と藻場造成で生態系を立て直すとともに、廃棄されるウニ殻の有効活用や「うに牧場」モデルの国内外展開により、海の保全と地域経済の両立を目指している。



代表取締役副社長の眞下 美紀子さんは「世代も地域も業界も超えて、皆さんと力を合わせながら未来の海を守っていきたい」と力強く語った。その言葉は、海とともに暮らす現場ならではの重みを感じさせた。

INNOVATION賞｜株式会社スペースシフト

株式会社スペースシフト　代表取締役　金本 成生さん

INNOVATION賞は、人工衛星とAIを組み合わせて海を上空から監視するスペースシフトが受賞。オイル流出、赤潮、藻場消失といった海洋の変化を地球規模でリアルタイムに検知し、実用的なソリューションを提供する点が高く評価された。



同社代表の金本 成生さんは「宇宙からの視点と現場の視点を組み合わせることで、海を守る力をもっと強くしたい」と述べ、地上と宇宙の協働がもたらす未来像を示した。

LOCAL ENGAGEMENT賞｜株式会社ノベルジェン

LOCAL ENGAGEMENT賞に輝いたノベルジェンは、滋賀・長浜発のスタートアップ。微細藻類を使った水質浄化やCO2吸収、マイクロプラスチック除去などの循環型バイオ技術を開発し、育てた藻類を飼料や肥料、バイオ炭へと再活用することで地域循環を生み出している。地域発の技術が海洋保全に貢献する点と、今後の海外展開を視野に入れている点が受賞理由となった。

株式会社ノベルジェン Chief Development Officer 楢木 健さん

同社の楢木 健さんは、「今後も社会貢献に向けて、全社員一丸となって取り組んでまいります」と意気込んだ。地に足のついた “地域発・世界行き”の挑戦だ。

NEW LEADER賞｜株式会社シンク・ネイチャー

株式会社シンク・ネイチャー　代表取締役　久保田 康裕さん

NEW LEADER賞に輝いたのは株式会社シンク・ネイチャー。海洋生物のビッグデータをAIで可視化し、生物多様性の把握や海洋空間計画の最適化を実現。科学的根拠に基づいた保全と利用の両立を図る新しい海洋保全モデルとして、その統合的なアプローチが優れていると評された。

少人数でスタートした同社だったが、今では30名近い若手メンバーが海の未来を科学で支えている。



「今回の賞は、彼ら若い世代の努力が評価されたもの。今後も“ネイチャーポジティブ”を目指し、より良い未来の海づくりに挑んでいきます」と久保田 康裕さんは意気込んだ。