
もう何度目の言及になるか、見当もつかない。それほど、街では全身黒の装いが“ユニフォーム化”して久しい。ただし、洒落者こそ繊細に味付けして脱・クローンを実践。その代表的テクニックとして覚えておきたいが、ずばり小物の使い方である。
【写真7点】「大定番オールブラックに個性をちょい足し」の詳細を写真でチェック
① ブルーのキャップで黒を裏切る

Tシャツ、パンツ=ともにセットイン カットソー、帽子=ともにフレッシュサービス シューズ=ハルタ×キョウ リング=ティファニー
▶︎佐藤さんのスナップをすべて見る佐藤翼早さん(22歳)セットインのゆるっとしたセットアップをシンプルに着て、その合間から白いTシャツを覗かせる。いわゆる“ヌケ”を効かせつつ、足元はあえての革靴で品良く締めた形だ。
そんなメリハリのついたモノクロームな装いを、ブルーのキャップで気持ち良く裏切る。単純明快にして、効果絶大の起用法。なんせ、爽やかさも醸し出せちゃうんだから。

② ピンク以外にも見どころたっぷり!

Tシャツ=コンビニエンスウェア パンツ=ユナイテッドアローズ シューズ=ゴヱモン 帽子=ビューティアンドユースユナイテッドアローズ 眼鏡=アイヴォル 腕時計=オメガ アクセサリー=エルメス
▶︎外賀さんのスナップをすべて見る外賀幸一さん(49歳)オールブラックに効かせた首元のピンク。まず目が行くアクセントカラーが、装いを個性的に見せるのは間違いない。でも、キモはそれだけじゃない。
ドイツ国旗柄のストラップを備えた“スピマス”のミハエル・シューマッハモデルや足袋型のサンダルなど、個性的小物の御姿はそこかしこに。パンツのストライプも粋だ!

③ モノグラムが放つ、問答無用の説得力

Tシャツ=ビューティアンドユースユナイテッドアローズ パンツ=不明 シューズ=アグ 眼鏡=ユニクロ バッグ=ルイヴィトン 腕時計=シャネル ピアス、リング=ともにノーブランド ネックレス=ヴァンクリーフアンドアーペル
▶︎智美さんのスナップをすべて見る智美さん(55歳)ラストは全身黒の女性が登場。シックなブラックブラウスに、カーゴポケットのついたワイドテーパードをセット。素材違いの黒合わせが、実にモダンだ。
で、手元ではルイ・ヴィトンの傑作「ネヴァーフル」のリバーシブル仕様が主張。エターナルなモノグラムが、軽装に問答無用の説得力を与える。

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再度確認しておきたいのは、付け足しの加減。過多にならない、“ちょい”の塩梅が重要ってこと。いわゆる、小さくても存在感は特大ってやつ。“主”に交わっても黒くならない個性ある小物が、コーディネイトの完成度をすっきりと高めてくれるのだ。