
34年目を迎えても、新人の気持ちで。Original Love・田島貴男さんはフェスを「一発勝負の修行」と語り、日常では趣味を通じて広がる「人との出会い」を人生の財産だと笑う。そして、今もなお彼が伝えたいのは、「ソウルとソウルがつながる瞬間」こそが音楽の本質だということだ。
そこで我々は、今年から始まった都市型フェス「RHYTHM AND RIDE 2025」のステージ裏にて、彼に観客と共有したい“ソウルパワー”の真意を聞いた。
【写真11点】「『立場を盾にはしたくない。一生新人でいい』Original Love・田島貴男が語った音楽に懸ける思い」の詳細を写真でチェックファンクグルーヴ全開でフェスの大トリを熱狂に
©︎RHYTHM AND RIDE
夜空の下、観客の手が一斉に掲げられ、会場全体が熱気に包まれる。ステージを鮮やかに彩るライトとともに響き渡るサウンドに、観客は身体を揺らし歓声をあげた。
「RHYTHM AND RIDE 」のフィナーレを飾ったのは「Original Love」だ。代表曲『接吻』が始まると、客席から大歓声が沸き起こり、イントロの時点で会場のボルテージは最高潮に。
©︎RHYTHM AND RIDE
ソウルやR&B、ジャズ、ロックンロールを背景とするOriginal Love、その魅力が凝縮されたステージは観客を圧倒し、2日間にわたるフェスのトリを華やかに締めくくった。
フェスは一発勝負。毎回が修行のような挑戦
――お疲れ様でした!「RHYTHM AND RIDE」に出演した感想はどうでしたか?暑かった!(笑)。でも、とてもいい雰囲気で終われて良かったです。
何より大事なのは「ちゃんと演奏すること」に尽きます。それぞれで企画やお客さんの雰囲気が違うので、現場に行かないとわからないんですよね。だからこそ、どこの場でもちゃんと向き合って、演奏することを心掛けているんです。未だに毎回、音楽を楽しくやりつつもどこか修行のような気持ちで臨んでいますね。
特にフェスではリハーサルがないことが多く、一発勝負で音を出すしかない。そこが一番難しい部分。上手くいかないこともありますが、如何にお客さんと音楽の楽しさを共有できるかが毎回の課題です。
――今回のような都市型フェスで地域が活性化していく姿をどう感じますか?フェスを通じて人が集まり、地域が元気になっていく。その光景を見るたびに「自分もその一部になれているのかも」と思うし、音楽の力を強く実感しますね。フジロックのような大型フェスにも、今回のような小さなフェスにも独自の面白さがある。東京や神奈川ではあまり見られませんが、地方に行けば本当に多種多様なイベントに出合えます。
最近ではOriginal Loveとしても地域のフェスに声をかけていただけるようになりました。ソロでは以前から参加していましたが、バンドとして呼ばれるのはとてもありがたいことです。
――1991年にメジャーデビューし、今年で34年目を迎えます。活動を長く続けてこられた、その秘訣は?正直、自分では長いキャリアだなんて思ったことはないんです。むしろ常に新人の気持ちでいたい。年齢や経験を理由に、先輩風吹かせるのは苦手なんですよね。若手の人たちも、僕をそうは見てないんじゃないかな(笑)。
僕にとっては音楽しかなくて、「この一本で生きていくしかない」という覚悟は、若い頃からずっと変わりません。それがここまで続けてこられた理由だと思います。ただ同時に、「仕事への興味がなくなったら終わり」という危機感も常にある。だから「これまでこうやってきたから、次もこうする」とは考えません。経験値が増えて対処の幅は広がっても、どれだけ場数を踏んでも初めての状況は必ず表れるんです。
今日のステージでも「これは初めてだな」と思う瞬間がありました。そういう予測不能さや危うさこそが、ライブの面白さ。成功しても失敗しても、結局はやるしかない。
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