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長時間噛み続けられるガムが最適!


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――ガムなしで、空噛みしても血流が上がるのでしょうか?

いいえ。他の研究で、口の中に何も入っていない状態で噛む動作だけしても、血流はあまり上がらないことが報告されています。だから食品を噛むことが重要なんです。

さらに実験では、噛むのをやめると血流はすぐに元に戻ることもわかりました。噛み続けていると血流は上がったままで維持されるんですが、噛むのをやめてしまうと元に戻ってしまう。そのため、長時間噛み続けられるガムが頭皮血流を上げ続けるのには適していると考えています。
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――頭皮の血行不良は抜け毛の原因になると言われていますよね。

その通りです。育毛剤の成分でも血流を良くして頭皮に栄養や酸素を届け、毛根の成長を促すというものがあります。ガムを噛むことも頭皮の血流を高めるという点では同じだと考えています。

――実際に見た目の変化にもつながる可能性はあるのでしょうか?

実験では、ガムを日常的に噛んでいる人は、そうでない人に比べて平均で頭頂部の髪の太さが1割ほど太いという結果が出ました。それだけの差があれば、見た目にも違いが出る可能性はあると思います。

ただし、今わかっているのは、“ガムを噛んでいた人の毛髪の方が太かった”ということで、ガムを噛んだら太くなるという因果関係まではまでは証明できていないのが現状です。

ただ、血流が促されるのは間違いないので、頭皮に影響を与える可能性はあると思います。

――頭皮血流を良くするおすすめの噛み方はありますか?

お伝えしたように、噛むのをやめると血流は元に戻ってしまいますので、できるだけ長く噛み続けるというのが手段となります。

実験では1日30分以上のガムを噛む人は、30分未満の人と比較して、頭頂部の髪の毛が有意に太い結果が出ています。また、先ほどの毛髪が太かった方々の平均咀嚼時間は1日50分強でした。



また硬めのガムや大きめのガムを噛んだ方が咬筋の活動が増え、血流がより促進される傾向もあります。

ただし、急にあまり長く噛み続けても、顎を痛めたり、筋肉疲労の原因になる恐れがありますので、無理せず、少しずつガムを噛む時間を伸ばすのがおすすめです。


ほかにもガムを噛むと集中力の向上や、眼疲労の軽減、女性のフェイスラインの引き締めにもつながると報告されている。

普段、何気なく口にしているガムだが、頭皮や見た目の若々しさにとっての心強い味方になるかもしれない。これからは“ガムを噛む習慣”を意識的に取り入れてみてはいかがだろうか。

林田順子=取材・文

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