
7月末、世界の肝臓癌は2050年までに倍増すると報じられた。なかでも脂肪肝を原因とする癌は全体の11%に増加するとされ、3人に1人が脂肪肝という日本も他人事ではない。3万人の肝臓を診てきた権威に、予防と回復の秘策を聞いた!
案内人はこの方!
栗原毅●栗原クリニック東京・日本橋院長。東京女子医科大学教授、慶應義塾大学大学院教授を歴任。北里大学医学部卒業。2008年にメタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした現クリニックを開院。「血液サラサラ」提唱者の1人でもある。今年2月に上梓した『肝臓大復活』はアマゾンの「肝臓・膵臓の医学」カテゴリーで現在もベストセラー1位を継続中。
30〜40代の男性に脂肪肝が多い理由
──最近、脂肪肝になる人が増えているそうですね。日本人の3人に1人、約4000万人が脂肪肝だといわれています。年代別だと30〜40代の男性に最も多く、その数はざっと1600万人に相当します。
──多いですね…。考えられる原因は何ですか?糖質のとりすぎと早食い、それから運動不足。この3つが大きな要因ですが、20代まではそんな生活を送っていても肝臓に問題が現れることはありません。ですが、筋肉量が減り始め、代謝も落ち始める30代になって同じ食生活を続ければ、確実に脂肪肝が進行します。
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